泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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コラム

『半沢直樹』という題名の「何も言ってなさ」

ドラマに限らず、何かに名称をつける際には、そこに本編・本体の内容を集約しなければならない。ドラマや映画であればその設定と雰囲気を、商品であればその効果効能を、企画書であればその客層に響くキーワードとコンセプトを、的確に言い表している必要が…

秋ドラマの変、秋ドラマが変

前クールのヒット作の副作用で、10月スタートの新ドラマが軒並み荒れている。どんなジャンルであれ、ヒット作の直後というのは基本的に場が荒れるもので、それは誰もが2匹目のどじょうを狙うからである。しかしそれはどじょうではなくよく見ると蛇であったり…

退屈な街を生み出すマーケティングの呪縛

気がつけば近所に鍼灸院、整骨院、マッサージ店、薬局が異様に増えている。高齢化社会なんだと思う。あるいは年齢に関係なく、パソコンやスマホの長時間使用による疲労困憊、飽食による肥満から来る体調の悪化、他人の芝生ばかり青く見えるSNSコミュニケーシ…

リニアが走れば鉄男が儲かる

この先リニアが走ることに賛成してみようと思うのは、それによって何屋が儲かるのかを考えてみたいからだ。まず言えるのは、「リニアが走ると磁石が売れる」ということである。ふざけていると思われるかもしれないが事実そうなるはずで、なぜならば大人は子…

鶴瓶の倍返し

大ヒットドラマ『半沢直樹』で毎度「倍返し」を決めているのは誰か? もちろん半沢直樹だが、実のところ答えはもう一つある。その昔アフロヘアーで毛髪体積を数倍にふくらましていた男、笑福亭鶴瓶である。すでに伝説となっている『FNS27時間テレビ』での「…

猛烈雨太郎〜気象予報における感覚的表現の隆盛〜

近ごろやたらと聞く「猛烈な雨」という表現。最初に耳にしたときには、「このお天気キャスターはなんていい加減な言葉を独自に使っているんだ」と憤ったものだが、以後気をつけて聞くようになると予報士を問わず局を問わずそれどころか媒体を問わずあまりに…

店長と呼ばないで

ちょいと小ぶりなスーパーマーケ。カップ麺やらバターロールやら柿の種やらを物色していると、棚の向こうで「店長! 店長!」と繰り返すおばんの高らかな声。今どきのひな壇芸人より張った声。その声の強さが差し示す射程距離から、店長がおばんの視野にいな…

うれしはずかし倍返し

ドラマ『半沢直樹』の大ヒットにより主人公の決め台詞「倍返しだ!」という言葉が巷間で流行しているがとんでもないことである。そのようなことを許してしまったら仇討ちまみれの血で血を洗う世の中になってしまう。あの悪名高き『ハンムラビ法典』ですら「…

無限増殖インティライマー

街中にナオト・インティライミが溢れている。誰も彼もがインティライミのイミテーションつまりインティライマーに見える。ハットを被って袖をまくれば今日から誰でも立派なインティライマーだ。昔はジャケットの袖をまくっていると即座にシンゴ・ヤマシロあ…

スマホヘアー

スマホを見ながら歩こうなんて、思い上がりも甚だしい。そもそも人間はそのような能力を、標準装備していない。もしそんな能力を持ち合わせているとしたら、そいつは人間ではない。何かの初号機とかだろう。街を歩いていると、手元のスマホに視界を奪われた…

信長の多忙

最近、どうも織田信長がひどく雑に扱われている。たぶん織田信成のせいだと思う。ドラマ『女信長』や『信長のシェフ』をはじめ、ちょっと前だとガスのCM、さらには無茶ぶり極まるゲーム『ポケモン+ノブナガの野望』に至るまで、性転換もタイムスリップもフ…

今からでも間にあう「今でしょ!」誤用法

流行とは怖いもので、東進ハイスクールのCMに端を発し、トヨタのCMですっかりメジャー感を獲得した林修先生の「いつやるか? 今でしょ!」という決め台詞も、すでにこすり倒された感がある。しかし使い古されたからといってなんでもすぐに捨ててしまうのは、…

プエルトリコで増える亀

WBC準決勝プエルトリコ戦、敗戦はもちろん残念だがそれ以下に気になることがあった。もちろん残念な気持ちのほうが圧倒的に上だから「それ以上」ではない。多くの日本人は「プエルトリコ」という国名のイントネーションを、「ふえるわかめ」の調子で認識して…

リニューアル渋谷駅の乱

新しくなった渋谷駅がカオスと化している。顔酢。みな酢を飲まされたような顔でさまよい歩いている。「だからお母さんきのうお酢買ってきたって言ったでしょ」「紛らわしいの買ってくんなよ。りんごジュースに見えんだよ!」誰もがそんな顔をして歩いている…

深よさそうで深よくない少し浅いいかと思いきやそうでもない話

書店でナンパされたのはさすがに初めてだ。文庫本を立ち読みしていると、右サイドから明らかにこちら向きに声がする。「すいません。オススメの本とか、教えてもらえませんか?」こちらは花粉症対策でがっつりワイヤー入りマスクをしているから話しかけられ…

「WBC」とは何か?

さて、「WBC」とは何の略なのか。わかっているのにわかってないふりをして議題を進めたいと思う。正確にいえば、知っているだけで根本的に「わかっている」わけではない。とくに「Classic」のあたり。適当に辞書を引くと「伝統的行事。由緒ある試合」という…

今週の「マキ」ベスト10

1位(↑圏外)恵方巻き 2位(→2)キャラメル・マキアート 3位(↑圏外)豆撒き 4位(↓3)葉巻 5位(↑6)玉置浩二 6位(↓5)カルメン・マキ 7位(→7)マキロン 8位(↑12)じゅわいよ・くちゅーるマキ 9位(↓8)沢たまき 10位(↑11)善玉菌※カッコ内は先週の順位…

今週の「トロ」ベスト10

1位(→1)/トトロ(neighborhood) 2位(↑3)/中トロ 3位(↓2)/登呂遺跡 4位(→4)/東京メトロ 5位(↑9)/トロンボーン(谷啓) 6位(→6)/トロッコ 7位(↑10)/吐露 8位(↓5)/アストロ球団 9位(↓8)/ピート・ローズ(安打製造機) 10位(初)/…

今週の「マヤ」ベスト10

1位(↑2)/吉田麻也 2位(↓1)/マヤ文明 3位(→3)/小林麻耶 4位(↑8)/雨宿り 5位(↓4)/真矢みき 6位(→6)/あずまや 7位(→7)/北島マヤ 8位(↑18)/厩 9位(→9)/林マヤ 10位(↓5)破魔矢※カッコ内は先週の順位。

「アベノミクス」というネーミングを揶揄するためだけに存在する文章

我々はアベノミクスを語る前に、まずこれまでの我が国の経済つまりジャパノミクスの過去ノミクスについて、包括ノミクス的に把握ミクスしておく必要ノミクスがある。さらには国内つまりドメノミクスに留マノミクスることなく、アメノミクス、フラノミクス、…

本を食べる哀しき巨人〜2012年ベストセラーランキングを誤読する〜

ベストセラーのタイトルは欲望を映し出す鏡である。トーハンが12月3日、2012年の年間ベストセラーを発表した。まだあとひと月は2012年のはずだが、12月の分は来年分に繰り越されるらしい。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 』あたりからの新書ブーム以降、タ…

メルマガを読まぬ人、食わぬヤギ

そもそも我々はメルマガに何を求めているのか。受け手とはわがままなもので、情報オンリーの羅列系メルマガが届くと、「面白くない!」とその工夫のなさに不満を抱き、面白さを目指すあまり妙に書き手の人格を前面に出した入魂のメルマガが来ると、「あんた…

フェイスブックに跋扈する理由なき「いいね!」の怪

フェイスブック上に、「ちょうちんいいね!」がすっかり横行している。といっても「ちょうちんマニア」のことではない(意外と多いらしいが)。ここで言う「ちょうちん」とは、「ちょうちん記事」という場合のちょうちん、つまり発信者に対し過剰におもねっ…

気になるKindle、魔性のネーミング

ついに「Kindle」の日本版が発売されるという。気になるのはもちろん性能や使い心地だし、それ以前に日本の出版大手各社がどれくらい電子書籍化に前向きなのか(つまりどこまで紙の本とその製作工程に関わる中間業者を犠牲にする気があるのか)ということだ…

美容院関ヶ原

不精なのでわりと短髪のくせに美容院には3ヶ月に1度くらいしか行かなくなっているのだが、それゆえ切り終えて足元を見ると明らかに頭上よりも多くの毛髪が落ちている。つまり切られていない分量よりも切られた分量のほうが見るからに多い。頭上に残っている…

レジスターという名の関ヶ原

スーパーとはつまり、「1万円入りま〜す!」と叫ぶ側と、おつりのないように1円単位まできっちり払いきる側の対決の場である戦場である。レジ係と客の間に真の友情などあり得ない。まれに1万円を超えてなお、1円単位まできっちり払いきる猛者が登場するが、…

電動箱戦国時代

エレベーターというのは、実はとっても特殊な乗り物である。副詞「とっても」は、広末涼子を意識して使ってみた。マジでなんの5秒前でもない。デパートで下りのエレベーターに乗ると、二人の先客がいた。一人はお婆さんと呼ぶと微妙に怒られそうな中年女性、…

アイツどんな顔するだろう?

楽屋に掛けてある中尾彬のねじねじにアイロンかけてやったら、アイツどんな顔するだろう?(志乃に報告) マイケル・サンデルのポケットをこっそり縫いつけてふさいでやったら、アイツどんな顔するだろう?(突き指) 蛭子能収のスラックスをローライズにし…

声に出して呼びたい名前(サッカー選手編)

「ズラタン・イブラヒモビッチ」という名前のサッカー選手がいる。彼はあまりに有名なストライカーだから、その名を聞いたことのある人は多いだろうが、その名前から、あなたは何を想像するだろうか。「カツラをかぶった中間管理職のおっさんが、ブラジャー…

早合点放題

今という時代におけるコミュニケーションの行き違いの多くは、「早合点」によるものだなあと、最近つくづく感じている。単純に言ってしまえば問題はもちろん「早」の部分で、ネットや携帯の普及により情報交換のスピードが格段に速くなった結果として、肝要…

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