泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

短篇小説「窓のない観覧車」

窓のない観覧車に、髭のない少年が乗っていた。窓のない観覧車は不粋だが、髭のない少年は不粋とは言えないだろう。少年にこの先、髭が生えてくるかどうかはわからない。 もちろん高所からの絶景など、望むべくもない。だがどれだけ待っても観覧車に窓がつか…

短篇小説「帰ってきた失礼くん」

「失礼しま~す!」 今日も失礼くんが、元気よく知らない店に入りこんでゆく。本日の訪問先はパン屋だ。しかし失礼くんは特にパンを食べたいわけでも、誰かにおつかいを頼まれているわけでもない。ただ純粋に、失礼したい一心でそう言っているのだ。「ほら僕…

最近聴読目録

最近聴いたり読んだりした/している作品についての所感。 【音楽】 ◆『MY FATHER'S SON』/JANI LIIMATAINEN マイ・ファーザーズ・サンアーティスト:ヤニ・リマタイネンマーキー・インコーポレイティドビクターAmazon 元SONATA ARCTICAのギタリストのソロ作…

短篇小説「芝生はフーリッシュ」

どうやらわたしは公園のベンチで、サングラスを掛けたまま眠り込んでいたらしい。おかげで昼か夜か、起きてすぐにはわからなかった。サングラスを外すと、これまでに見たことのないような、色とりどりの世界が目の前に広がった。色とりどりにもほどがあった…

あぶないタッチ病

長年愛用していたiPhone 6が壊れた。かもしれない。かもしれなくないかもしれない。なんといっても「6」だ。いったい何世代前の機種ということになるのか。もちろん普段から動作は重い。それが故障による症状なのか、単に性能が時代に置いてけぼりを食ってい…

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