泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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2008-01-01から1年間の記事一覧

『ARE YOU READY TO ROCK』/ECLIPSE 『アー・ユー・レディ・トゥ・ロック』/エクリプス

「ジョン・サイクス期のWHITESNAKE+EUROPE」という公式で過不足なく説明できる明確な方向性。同じく欧州産でありながらアメリカで大ブレイクしたという共通点こそあるものの、この2バンドでは質感はだいぶ異なる。 しかしこの足し算は思いのほか相性が良く…

2008年ナイスミュージックベスト10

【ナイスアルバム部門】 1位:『THE SOUND OF MADNESS』/SHINEDOWN 文句なし! 完全無欠、ジャンル不問の名盤。メロディ、グルーヴ、スピードのいずれでも勝負できる楽曲が揃う。弱点が見当たらず逆に不安。 2位:『SUPERHUMAN』/CINDER ROAD グランジの血…

影響ラビリンス〜VOW WOW成分分析不可能説〜

創作だのクリエイティブだの言っても誰しもが先人の影響を受けている、というのは今さら言うまでもない事実だが、ときどきどこまで遡って調べてもそのルーツが思い当たらないアーティストというのがいる。 たとえば村上春樹の文体がレイモンド・チャンドラー…

「スピードで誤魔化せる範囲は限られる」M-1グランプリ2008総評

最終決戦の3組どころか、決勝9組中でもダントツでつまらないと感じたNON STYLEの優勝に愕然とした。彼らのスピードと手数が評価されたと言われている。だが問題はそれがどう面白さと繋がるのかという部分である。僕はスピード重視の漫才が別に嫌いではない。…

あの嘘だらけの素晴らしいレディオが終わる2

三年半続いた『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』が今月いっぱいで終わる。またひとつ、オールナイトニッポンからお笑い番組が消える。 いつからか、ラジオにおけるお笑いの流れは、ニッポン放送からTBSラジオにシフトしてきた。おそらくは伊集院光…

あの嘘だらけの素晴らしいレディオが終わる

と適当にタイトルをつけてみて驚くのは、「レディオ」と聴くと即座に「壊れかけ」という言葉がごく自然に貼りついてくること。あの曲の中で、レディオは永遠に壊れかけのままだ。なんて格好つけて言いたいわけではない。 そもそも曲の冒頭でいきなり、 「何…

『THE SOUND OF MADNESS』/SHINEDOWN 『ザ・サウンド・オブ・マッドネス』/シャインダウン

音楽の世界に限らずどのジャンルにおいても、とかく極端なものが持てはやされる傾向にあるが、では極端なものとは何か?一般にわれわれが「これは極端だなぁ」と思うのは、例えばSLAYERのように「ただ速い」とか、SLIPKNOTのように「見た目が派手」とか、チ…

『新しいバカドリル』/タナカカツキ・天久聖一

笑いというのは基本的に世の中の欺瞞を暴き現実をあぶり出す機能を持つ。 たとえばビートたけしは「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と叫ぶことで、見事に民衆の集団心理を言い当ててみせた。それはたとえば昨今の「空気を読む」文化にまで当てはまる、日本…

『去年ルノアールで 完全版』/せきしろ

せきしろ氏は偉大なる傍観者である。 誰もが社会に参加したがり、発言権を主張してあえぐ今の世。ある者は路上でギター片手にありきたりな愛の言葉を叫び、ある者は凄まじい「上から目線」で悩める若者に空虚な人生訓を提供する。 だがみんな忘れていないだ…

『やし酒飲み』/エイモス・チュツオーラ

アフリカの大自然(に対する恐怖)のみが生み出し得るのかもしれぬ奇譚。 展開もキャラクターも能力も、すべてが相当にいい加減な思いつきに従って次々と生み出され、無理矢理編み込まれてゆく。その強引さが魅力であり、民話的でもある。桃太郎がそこらへん…

最近のプレイリスト

「プレイ中にリストラ」の略ではありません。 仕事中にプレイしてたらリストラされても文句は言えません。 しかし仕事をプレイする奴は出世します、とか安易なビジネス書が言いそうで。一方、「浪速のプレスリー、いったんリストラ。その後激太り」の略であ…

今さらな事後報告は風のように

『rockin'on』11月号のrockin'on reviewというページに、SLIPKNOTについて書いた、 「無駄無茶無謀希望絶望、みんなまとめて『無望』ゆき!?」 という約4000字の文章が掲載されました。もちろんもうすっかりバックナンバーで、いま出ているのは1月号です。北…

バカサイ忘年会

いよいよ明日開催です。 元ハガキ職人の右大臣として参戦しますので、参加者の方々よろしくお願いします。と言ってもここを見ている誰かがいるのだろうか? 「バカサイ」で検索してここへ来てくれる人がいるのだろうか?先ほどから検索の精度をいろいろと試…

悪戯短篇小説「元祖エビサーの誕生」

「これ以上は限界かもしれないな。もうマスプロだ」 ヨシカズはショーウィンドウに映った自らの後ろ姿を振り返り、そう呟いたのだった。マスプロとはもちろん、「見えすぎちゃって困る」の意である。 ヨシカズは数年前、ローライズブームが襲来した際に、仲…

『犬のジュース屋さんZ』1巻/おおひなたごう

ネタ選びのセンスと、それを料理する腕前が高次元で両立。結果、キャッチーさも深遠さもいとしさも切なさも心強さも、さらには部屋とYシャツと私あたりまで、すべてがここに融合し、作者独特の世界を作り上げている。もしかするとこれだけの要素をいっぺんに…

『MASQUERADE』/MASQUERADE 『マスカレード』/マスカレード

けっして革命的な一枚ではない。 このアルバムがHR/HMの歴史を変えたとか、実験的アプローチで後続に多大な影響を与えたとか、のちに超有名バンドが彼らの曲をカバーしまくったとか、そういう類の作品とは言えない。 だが歴史の転換点ではなく、平穏な流れ…

『PORNOGRAFFITTI』/EXTREME 『ポルノグラフィティ』/エクストリーム

EXTREMEのニューアルバム『SAUDADES DE ROCK』が、かなりいい。かなりいいが、最高ではない。なぜならば、彼らはすでにその手でこのアルバムを創造してしまっているからだ。比較対象が悪すぎる。自業自得だ。 再結成とは、この世のすべてが相対評価でしかな…

『ALL HOPE IS GONE』/SLIPKNOT 『オール・ホープ・イズ・ゴーン』/スリップノット

後半に続くミドルテンポの楽曲を「進化」と捉えるか、「失速」と感じるか、その一点でこのアルバムの評価は決するだろう。 前半部は前作の流れを汲む順当な内容で、勿論2ndを最高傑作とする向きにはその時点で不満もあるだろうが、問題は⑥以降。単調なリフに…

もう涙は枯れ果てた、一気に書けるのはもはや行間だけだ

というわけで泣きながらも一気にも書けませんがブログというものを初めてみることにしました。もちろん誰も見ていないと思いますがよろしくお願いします。しばらくは過去に書いたレビュー関係を連続的に放り込んで無理矢理体裁を整えてる風にしたいと思いま…

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