後半に続くミドルテンポの楽曲を「進化」と捉えるか、「失速」と感じるか、その一点でこのアルバムの評価は決するだろう。
前半部は前作の流れを汲む順当な内容で、勿論2ndを最高傑作とする向きにはその時点で不満もあるだろうが、問題は⑥以降。単調なリフに練り不足な歌メロを乗せた楽曲が続き、緊張感に欠ける。魅力的なサビで何とか帳尻を合わせてくる曲もあるが、そこに至るまでの歌メロ、リフに工夫がないため聴き手に我慢を要する。
かと思えば、終始歌い上げメロウサイドに徹した⑤⑪あたりは素晴らしく、問題はリフで引っ張ってゆくタイプの楽曲に限られる。とはいえタイトル曲⑫が、2ndを思わせる異様な疾走感をもって本編ラストを締めくくるあたりは流石。だからこそ、またもやミドル続きの⑬以降のボーナスは蛇足。
遅い曲を後半に集中させた曲順にも問題ありか。