泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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2009-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『バクマン。』2/大場つぐみ・小畑健

壮絶なスピード感である。とにかく展開が速い速い。まるで何者かに追われているよう。だがその裏では、ないがしろになっている要素が山積しているのも事実である。キャラを深めるには、丁寧な感情描写と主人公の内面を浮かび上がらせる日常的エピソードが不…

『バクマン。』1/大場つぐみ・小畑健

言わずと知れた『DEATH NOTE』コンビによる二作目。漫画家を目指す主人公たちを描く現代版『まんが道』だが、もちろんその趣は大きく異なる。ストーリーを走らせるには「キャラクター」と「動機」を二本柱として機能させる必要があるが、この作品の場合、明…

『WHO ARE YOU?』/NICO TOUCHES THE WALLS

デビュー作には持てるすべてを注ぎ込むべきだというのは、ジャンルを問わずすっかり定説だが、その結果として散漫な結果を招くこともまた覚悟しなければならない。とにかくバラエティに富んでいる。音楽性にしろ歌詞にしろ。とてもVo.が一人で作詞作曲を手掛…

『君は人のために死ねるか』/杉良太郎

杉さまの流し目をナメてはいけない。それは単におひねり片手の女性ファンを虜にするだけの小道具などでは断じてない。それは相手を傷つける武器ではなく、鋭くはあるが常に圧倒的やさしさを内包する。「君は人のために死ねるか」とは、あまりにまっすぐで鋭…

『ENTER THE CHICKEN』/BUCKETHEAD & FRIENDS

変態の理解者は変態だけなのか? GUNS N' ROSESに在籍していたことで有名なバカテク覆面ギタリストのバケットヘッドが、あまりいなそうなお友達を集めて制作したプロジェクト作。ガンズにおいても、そのバンド・サウンドへのあまりの馴染まなさが逆に頼もし…

『STEADLUR』/STEADLUR 『ステッドラー』/ステッドラー

GUNS N' ROSESやMOTLEY CRUEの流れを汲む「80'sアリーナ型ハード・ロック」復権の動きが、ここへ来てにわかに活発化している。今のところHINDERあたりを筆頭とするその動きに、このSTEADLURも加勢することになるはずだ。とはいえ、このムーヴメント自体はそ…

『城』/フランツ・カフカ

城 (新潮文庫)作者:フランツ・カフカ発売日: 1971/05/04メディア: 文庫壮大な物語というより、極上コントの連発という意味での大傑作。笑いという意味では、小説以外を含めても、これ以上のレベルには未だ誰も到達していないと言い切れる。 物語の筋など「城…

『RUST IN PEACE』/MEGADETH 『ラスト・イン・ピース』/メガデス

ねじれねじれて複雑怪奇な、究極のリフ無駄遣い作品。惜しげもなく次々と使い捨てられるギター・リフは、いずれも会心の一撃レベル。さらには必要以上にめくるめくリフ展開に、「この1曲をうまく小分けすれば5曲は作れるわ」という節約上手な主婦感覚さえ芽…

持ち歩いて聴けるのは良いがその顔はニヤけているぞ 〜現状Podcastベスト10〜

向かいのホーム、路地裏の窓、明け方の街、桜木町で…こんなとこで笑うはずもないのに…。1.タナカカツキのデジオナイト 笑いも人生訓も芸術観も何もかも含まれていて、それを穏やかなトーンで包み込むようなトークが秀逸。結論を急がない粘り強い思考と寄り道…

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