泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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『RUST IN PEACE』/MEGADETH 『ラスト・イン・ピース』/メガデス

ねじれねじれて複雑怪奇な、究極のリフ無駄遣い作品。

惜しげもなく次々と使い捨てられるギター・リフは、いずれも会心の一撃レベル。さらには必要以上にめくるめくリフ展開に、「この1曲をうまく小分けすれば5曲は作れるわ」という節約上手な主婦感覚さえ芽生える。

案の定そこに気づいてしまったであろう彼らは、のちに『COUNTDOWN TO EXTINCTION』という、極度にシンプルなリフ省エネアルバム(これはこれでグランジ影響下の名作)を産み落とすことになる。だがこの饒舌な若気の至りの乱射を越えるのは、もはや彼ら自身には不可能だろう。

近作はアルバム前半はかなり良いが、中盤以降に安易なミドル・チューンに逃げる癖が顕著で、後半の息切れが激しい。

その点、本作も後半⑥⑧に若干の緩みはあるが、全体に張りつめた緊張感は完全に非常事態。そのレベルは、方向性こそまったく違えど、GUNS N' ROSESの『APPETITE FOR DESTRUCTION』に匹敵する。

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