泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

短篇小説「雑談法」

七年前にいわゆる「雑談法」が施行されて以来、気軽に「雑談でもしましょう」などと言えない世の中になった。難儀なことである。 「雑談法」により、「雑談」という文字どおり雑然とした概念は、改めて明確に定義されることとなった。はたして何が「雑」で何…

短篇小説「憤と怒」

憤介が怒っているのは、いつものバス停に時間通りバスが来ないからであった。すでに時刻表から十分も遅れている。会社に遅刻すれば怒られるのは憤介なのだから、彼が怒るのも無理はない。しかしまにあったらまにあったで、要領の悪い憤介はどうせ別件で上司…

短篇小説「三割神」

野球で打率三割といえば好打者といえるが、三割だけ願いを叶えてくれる神様はどう評価すべきだろう? 神だってなんでもかんでも完璧に叶えられるわけではない。神に完全無欠な仕事ぶりを常時要求したりすれば、今どきパワハラだなんだと訴えられかねない。神…

短篇小説「条件神」

photo by Hartwig HKD ひとりなのだかたくさんいるのだか知らないが、世にいう神々が必ずしもやさしいとは限らないのは、地球の現状を見れば誰にでも簡単に理解できることである。しかしまさかここまでとは。 その日、神が喪師喪田畏怖男を見つけたのか、喪…

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