泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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2012-01-01から1年間の記事一覧

『THE MANZAI 2012』感想

『THE MANZAI 2012』の感想、 今年はもうひとつのブログのほうに書いてます。 二度手間のかた、すいません。 http://arsenal4.blog65.fc2.com/blog-entry-213.html

悪戯短篇小説「違いがわからない男」

「ちょっとすいません」 「ちょっとじゃないだろう! だいぶすまないと思ってくれなくちゃあ」 「あ、すいません。でも正直、そこまですまないとは思ってないわけですよ」 「そんな中途半端な気持ちで初対面の人に声を掛けるなんて無礼だねキミは。急いでる…

本を食べる哀しき巨人〜2012年ベストセラーランキングを誤読する〜

ベストセラーのタイトルは欲望を映し出す鏡である。トーハンが12月3日、2012年の年間ベストセラーを発表した。まだあとひと月は2012年のはずだが、12月の分は来年分に繰り越されるらしい。『さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 』あたりからの新書ブーム以降、タ…

メルマガを読まぬ人、食わぬヤギ

そもそも我々はメルマガに何を求めているのか。受け手とはわがままなもので、情報オンリーの羅列系メルマガが届くと、「面白くない!」とその工夫のなさに不満を抱き、面白さを目指すあまり妙に書き手の人格を前面に出した入魂のメルマガが来ると、「あんた…

フェイスブックに跋扈する理由なき「いいね!」の怪

フェイスブック上に、「ちょうちんいいね!」がすっかり横行している。といっても「ちょうちんマニア」のことではない(意外と多いらしいが)。ここで言う「ちょうちん」とは、「ちょうちん記事」という場合のちょうちん、つまり発信者に対し過剰におもねっ…

気になるKindle、魔性のネーミング

ついに「Kindle」の日本版が発売されるという。気になるのはもちろん性能や使い心地だし、それ以前に日本の出版大手各社がどれくらい電子書籍化に前向きなのか(つまりどこまで紙の本とその製作工程に関わる中間業者を犠牲にする気があるのか)ということだ…

美容院関ヶ原

不精なのでわりと短髪のくせに美容院には3ヶ月に1度くらいしか行かなくなっているのだが、それゆえ切り終えて足元を見ると明らかに頭上よりも多くの毛髪が落ちている。つまり切られていない分量よりも切られた分量のほうが見るからに多い。頭上に残っている…

レジスターという名の関ヶ原

スーパーとはつまり、「1万円入りま〜す!」と叫ぶ側と、おつりのないように1円単位まできっちり払いきる側の対決の場である戦場である。レジ係と客の間に真の友情などあり得ない。まれに1万円を超えてなお、1円単位まできっちり払いきる猛者が登場するが、…

『キングオブコント2012』感想

今年はもうひとつのブログのほうに書いてます。 【『キングオブコント2012』感想】 http://arsenal4.blog65.fc2.com/blog-entry-200.html

最近聴読目録

近ごろ読んだり聴いたりしたもの。共感にしろ違和感にしろ突き抜けているもの。【小説】 ★『ゼーロン・淡雪』/牧野信一 後藤明生の『小説は何処から来たか』に取り上げられていて、気になった作家。 後藤明生が好むということはつまりユーモア作家なわけだ…

悪戯短篇小説「史上最強の失業者」

祖父母の命令で鬼を殲滅したら次の日から失業した。鬼を全滅させたら鬼退治の仕事がなくなるということに、最後の一匹を倒している途中で気づいたが犬、猿、キジの手前もう後戻りはできなかった。自らの活躍が失業の危機を呼び寄せていることに気づかなかっ…

ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」事始め

『日刊サイゾー』にて、ラジオ批評連載コラム「逆にラジオ」が始まりました。月2回ペースで更新の予定です。幼稚園児のころからラジオを聴いてきて、ラジオのハガキ職人をやって、雑誌のハガキ職人をやって、雑誌の編集をして、雑誌のライターをやって…とい…

銭を握りしめろ!

今日は買い物に行った3つの店のうち、2つの店で店員が私の支払った小銭を見事に落とした。1人は舌打ちしながら、1人は何も言わず拾った。落とせと念じたわけでない。その証拠に残りの1人は小銭を落としていない。レジ係は何よりもまず握力を鍛えなければなら…

別冊ブログはじめました

こことは別に、テレビ・ラジオ批評ブログをはじめました。 お笑い関係の番組を中心に、なるべくこまめに更新することを目指します。 よろしくお願いします。【お笑い好きのためのテレビ・ラジオ批評―笑いながら怒る箱―】 http://arsenal4.blog65.fc2.com/

電動箱戦国時代

エレベーターというのは、実はとっても特殊な乗り物である。副詞「とっても」は、広末涼子を意識して使ってみた。マジでなんの5秒前でもない。デパートで下りのエレベーターに乗ると、二人の先客がいた。一人はお婆さんと呼ぶと微妙に怒られそうな中年女性、…

悪戯短篇小説「世界に一つだけの花を見つける世界に一つだけの方法」

私は世界に一つだけの花をついに発見した。世界に一つだけの花は、世界に一つだけの村にある世界に一つだけの森の奥の世界に一つだけの沼のほとりにひっそりと咲いていた。世界に一つだけの花は、私にとって間違いなく世界に一つだけの花だったが、皆にとっ…

悪戯短篇小説「使えない理由」

道ばたに佇む男がいる。男は見たところ何もしていないが何かを待っているような顔だけはしている。その手にステッキを握っているのも、なぜかしら何かを待っているような印象を通行人に与えている。だが男は本当に佇んでいる。男は何も待っていない。純粋に…

悪戯短篇小説「不向き村」

花粉症の木こりが木を伐っている。その木の枝には高所恐怖症の猿がいて、猿の目線の先に広がる海には、ビート板で泳ぐ海兵隊が大量に浮かんでいる。全員が全員、ビート板なしでは泳げないのだ。海兵隊のひとりがビート板から手を滑らせ溺れかけると、これま…

アイツどんな顔するだろう?

楽屋に掛けてある中尾彬のねじねじにアイロンかけてやったら、アイツどんな顔するだろう?(志乃に報告) マイケル・サンデルのポケットをこっそり縫いつけてふさいでやったら、アイツどんな顔するだろう?(突き指) 蛭子能収のスラックスをローライズにし…

『R-1ぐらんぷり2012』感想

今年は決勝に残ったラインナップからしてレベルの高い大会になるはずだと確信していたのだが、もちろん確信は単なる確信でしかないわけで、確信ってのはけっこう外れる。つまりクオリティの高い芸人が集まれば大会が面白くなるというわけではないというのが…

声に出して呼びたい名前(サッカー選手編)

「ズラタン・イブラヒモビッチ」という名前のサッカー選手がいる。彼はあまりに有名なストライカーだから、その名を聞いたことのある人は多いだろうが、その名前から、あなたは何を想像するだろうか。「カツラをかぶった中間管理職のおっさんが、ブラジャー…

早合点放題

今という時代におけるコミュニケーションの行き違いの多くは、「早合点」によるものだなあと、最近つくづく感じている。単純に言ってしまえば問題はもちろん「早」の部分で、ネットや携帯の普及により情報交換のスピードが格段に速くなった結果として、肝要…

【なんとしてもポジティヴに終わる話】 捨て気な捨テッカー

若者は何かにつけステッカーを貼りがちだがステッカーとはつまりメッセージであり彼自身である。若者とは「自分が何が好きか」をアイデンティティとしたがる生き物であり、しかしそれは文字通り「外付け」のアイデンティティであって懐に内蔵されたものでは…

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