泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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2008-12-14から1日間の記事一覧

『新しいバカドリル』/タナカカツキ・天久聖一

笑いというのは基本的に世の中の欺瞞を暴き現実をあぶり出す機能を持つ。 たとえばビートたけしは「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と叫ぶことで、見事に民衆の集団心理を言い当ててみせた。それはたとえば昨今の「空気を読む」文化にまで当てはまる、日本…

『去年ルノアールで 完全版』/せきしろ

せきしろ氏は偉大なる傍観者である。 誰もが社会に参加したがり、発言権を主張してあえぐ今の世。ある者は路上でギター片手にありきたりな愛の言葉を叫び、ある者は凄まじい「上から目線」で悩める若者に空虚な人生訓を提供する。 だがみんな忘れていないだ…

『やし酒飲み』/エイモス・チュツオーラ

アフリカの大自然(に対する恐怖)のみが生み出し得るのかもしれぬ奇譚。 展開もキャラクターも能力も、すべてが相当にいい加減な思いつきに従って次々と生み出され、無理矢理編み込まれてゆく。その強引さが魅力であり、民話的でもある。桃太郎がそこらへん…

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