泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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コラム

偽書偉人伝

このたび当局より、数々の偉人らの手による書が、徳川埋蔵金が見つかるはずの横穴から大量に発見されたとの報告があった。ここにその一部をご紹介したい。 言うまでもなく、すべて偽物である。 横山弁護士の書 松島トモ子の書 聖徳太子の書 一休の書 ペリー…

今週の「ルイ」ベスト10

1位(↑2)ルイ16世 2位(↓1)生類憐れみの令 3位(↑5)オコエ瑠偉 4位(↓3)桜樹ルイ 5位(↑8)モニカ・ルインスキー 6位(→6)類は友を呼ぶ 7位(↓4)カール・ルイス 8位(↑24)満塁策 9位(↓7)ルイ・アームストロング 10位(→10)軽石※カッコ内は先週の順…

あなたのお名前の反対のお名前なんてぇの? 「はい、京せまおです」

言葉には、基本的に反対の意味を表す「反意語」というものが存在する。「熱い」に対する「冷たい」、「硬い」に対する「軟らかい」、「現実」に対する「理想」というように。ならば同じく言葉である以上、「名前」にも反意語があるのではないか。人や物の「…

曲名小説「ロマンスのゆくえ」

ありあまった「ロマンス」は、広瀬香美のところに持っていくと無料で引き取ってもらえるらしい。そうやってありあまった「ロマンス」を集めて練り込み陽のあたらない場所で数年寝かせると、熟成して「ロマンスの神様」になるという。一方、「ロマンティック…

未来予想図Ⅲ

先日、今年の漢字が「安」と発表された。となると来年は「岡」で再来年は「力」、その次はもちろん「也」ということになる。ちなみにその先は「帆」と来て「立」と続くことになっている。大変な世の中になる。なにしろ来年は「岡」である。何がどうなるとそ…

新語流行語全部入り小説2015

秘技アゴクイと切れ目のない対応で結果にコミットする上級国民のプロ彼女と、風呂上がりに全裸で腰を屈めた五郎丸ポーズで「安心して下さい、穿いてますよ。」と言いつつ毎度穿いてない、というルーティンを繰り返す自称ミニマリストの下級老人との恋愛関係…

ラグビーの起源を捏造する

ラグビー日本代表が歴史的勝利を挙げたというので、時流に乗って普段観ないラグビーなど観てみると、どうやらボールを持っている人が大変な目に遭っている。四方八方から複数の人間に飛びかかられ、しがみつかれ、引きずり倒され、のしかかられるという惨状…

東京五輪エンブレム問題とクリエイターのゆくえ

東京五輪エンブレムに関する一連の騒動を見ていると、「クリエイターとは何か?」「オリジナルとは何か?」という根源的な問題に、毎度必ず行きつくことになる。これはデザイナーだけでなく、すべての制作者にあてはまる話だ。大前提として言えるのは、どの…

羊たちのランボー 怒りのカジュアルフライデー…金

なんでもかんでもネガティブに傾きがちなこのご時世。しかし景気や株価が風評世評に少なからず左右されるように、ちょっとした噂や評判で世相が一変してしまうことも珍しくない。そしてそんな評判の中身を構成しているのは、もちろん「言葉」であるわけで、…

厚伐りワシントン

アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントン幼少期の有名な逸話といえば、「桜の枝を折ってしまったが、素直に謝ったら許された」というものである。いつどこで習ったのだかわからないが、僕はどこかで聴いてなんとなくそう記憶していた。桜の木の枝を持…

「木の実ナナ」の対義語を考える

言葉には基本的に、反対の意味を持つ「対義語」というものが存在する。人の名前だって言葉である以上、そこにも対義語というものが常にあり得るのではないか。というわけで、人の名前の対義語を考えてみたい。なんの役にも立たないのは言うまでもない。名前…

何もかも、何かのせいにしてみよう

嫌なことがあったら、何かのせいにするのがいい。とはいえ身近な誰かのせいにすると、八つ当たりで嫌われる。だから何かのせいにするのなら、相手は「アバウトな事象」や「遠くの誰か」が望ましい。たとえば自分がモテない場合、それを何のせいにするのが良…

ひな祭りちらし革命

いくらなんでもちらしすぎである。そんなにまでして何をちらしたいのか誰にちらされたいのか。僕らが小さいころはむしろあの直角三角形の、噛むと歯にねちゃりと粘りつく思いのほか軽量なあいつと小粒のあられがメインだったような気がする。3月3日のスーパ…

毒入りのスープをあなたに

ご承知の通り、クマムシのウォームな歌が流行している。 だが我々は忘れてはならない。 毒蝮三太夫の中にも「クマムシ」は居るということを。 弩クマムシ三太夫。 弩級のクマムシということは、当然ノーマルのクマムシよりも位が高いということになる。毒入…

悪戯短篇小説「新語流行語全部入り小説2014」

もはや昼間っから暇を持てあましたタモロスのマイルドヤンキーと、地方議員のセクハラやじを書き続けてきたゴーストライターしか住んでいない消滅可能性都市の絶景をバックに、こじらせ女子を卒業した輝く女性がアイス・バケツ・チャレンジを行った。それは…

もうポイントカードなんて作らないなんて言わないよ絶対

我々は、ポイントカードを使うことでいったいどれだけの時間を無駄にしているのだろう?と言われてもピンと来ないと思うのでもう少し現実の行動に即して言うと、「ポイントカードを財布から取り出し、店員に渡して戻ってくるまでの時間」のことを主に言って…

翳る尻を乾かす方法

サプリやお菓子を完全消費すると袋の中から残念賞のようにこぼれ落ちてくるあいつ。あるいはサプリの錠剤を2粒3粒と取り出すたび一緒に出てきては、「お前じゃねーよ!」と植木等扱いでお呼びでない罵声を毎度浴びせられるあいつ……。――奴の正体は泣く子も乾…

号泣会見という発明

それにしても号泣会見には度肝を抜かれた。少なくともこの一撃で生レバーが砂肝になるくらいには。佐村河内、小保方と続いた謝罪会見ブームに、さらなるクリエイティヴな一手が叩きつけられた。これまで誰も思いつかなかったのだからクリエイティヴと言うほ…

雨の日に水を

雨の日に植木に水をやっていると狂人だと思われるような気がしてならない。植木は雨のあたらない場所にあるから天気にかかわらず水をやる必要があるのだが、通りがかる人にいちいちその事情を説明して聴かせるわけにはいかない。それこそ狂人だと思われる。…

野暮天なぞなぞ考

なぞなぞは、正解がひとつでなければ面白くない。ところがどうだろう。多くのなぞなぞには、実のところ正解が複数存在する。これは由々しき問題である。たとえばこんなメジャーな設問。「パンはパンでも食べられないパンはな〜んだ?」正解はもちろん、「フ…

「知らんがな」の効能

どうでもいい言葉は、時に人の心を癒やす。その空っぽな言葉は、商店街にある靴修理屋の店頭に置かれた小さな黒板に、下手な字でしかし丁寧に書かれていた。以前からその黒板のことは、少し気になっていた。わざわざ店先に置いてあるのだから、やはりそこに…

通販番組にあらわれたネクストレベルの注意書き

深夜の通販番組をなんとなく流していると、お爺さんが商品の魅力を語る画面の右上方に、謎の注意書きがフワッと出現した。※エキストラ派遣会社を通して応募何を言っているのであろうか。しかしまもなくそのテロップは消え、「※効果には個人差があります」「※…

鬼と仲良くする方法

恵方巻きがどうにも流行りすぎていて怖い。節分の日、スーパーの寿司コーナーの9割方が恵方巻きで埋め尽くされている。しかし見た目的には、外皮部分にあたる海苔ばかりがひしめき合う様子を見下ろす形になるので、その一角は絶望的に真っ黒だ。平穏なスーパ…

デジタルな店員

あらゆる業種の店員がデジタル化している。デジタルというのはつまり中間領域のない0か1かの世界。どんなに数値を細かく刻んでいっても、結局のところその構成要素は0か1でありYESかNOだ。そこには「いい按配」というものが存在しない。柔軟性など望むべくも…

噂の新年

数年前からあけるあけるとは聞いていたが、正直ここまであけるとは思わなかった。これもまたどうせ「あけるあける詐欺」だとたかをくくっていた。何がといえば年が、である。みな年は勝手にあけると思っている節があるが、それは大きな間違いである。毎年の…

史上最弱の理由

寒い夜が続いている。冬なので当たり前だが毎年のように「こんなはずじゃなかった」と思う。夏の暑さにも思う。そして今や夏があんなに暑かったことが、すっかり信じられなくなっている。「あんなに」と言ってはみたものの、実は「どんなに」だったかさっぱ…

こんな猪瀬知事なら許せる

猪瀬知事が辞職を表明した。我々にそこから学べることがあるとしたら、ではどんな猪瀬知事だったら許されたのかということだ。歴史のifを考えることは、常に新たな教訓をもたらす。もたらさなかったら、教訓だと思い込めばいい。どうせ役に立たない。許され…

言わせねえよ粉雪

吉野家店内のお持ち帰りカウンターで牛丼を頼み席に座ると、有線でレミオロメンの「粉雪」がちょうど流れはじめた。しばらく待つと牛丼が出来上がってきたので受け取って出口に向かうが、「粉雪」はまだサビに辿りついていない。しかし僕は「粉雪」を待つわ…

悪戯短篇小説「新語流行語全部入り小説2013」

富士山の八合目に美文字レベルの大の字をクッキリと浮かび上がらせるPM2・5の靄を突き抜けるように、困り顔メイク兼涙袋メイクで読モを気取ったNSC出身のこじらせ女子と、あまロスに悩むさとり世代の日傘男子が弾丸登山を試みた。これは実のところ、「頂上に…

植毛はおやつに入りません

不朽の名作あるある「バナナはおやつに入るんですか?」以来の崇高な問いが、ついに登場した。「植毛は経費で落ちないんですか?」池上彰改め偽髪彰ならば、「いい質問ですね〜」と目をパチクリさせて喜ぶであろう至高の質問である。この問題を提起したのは…

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