1位「Shine On」/CRASHDIET
メタルファンにとって「Shine On」といえば、もちろんRIOTの稀代の名曲「Warrior」なわけだが、ここに新たな「Shine On」の響きを持つ美しい楽曲が誕生した。
この曲を聴くと、改めて「Shine On」という発語と哀愁溢れるメロディの、まるで運命づけられたような相性の良さを痛感せざるを得ない。
とにかくサビの「シャイノン、シャイノン」がどうにも耳から離れない。その裏を支えて走るギター・フレーズとの絡みも美しい。メロディの力を思い知らされる一曲。
2位「Prisoner」/RUST N' RAGE
1位に続いて珍しくスリージー系が続くが、あくまでもメロディの質で選んだ結果であることを強調しておく。
こちらもメタル歌詞頻出語の「Prisoner」がサビで二度繰り返されるが、これまた哀愁が迸っている。泣きながら河原を駆け抜ける思春期の青さ。
これまた一発で記憶に残る旋律の強度を持つ楽曲。
3位「Kaisarion」/GHOST
このバンドにしては珍しい疾走曲だが、この爽快かつ不気味な感触は彼らにしか出せないだろう。
海上を浮遊しながら移動していくようなホバークラフト的疾走感。海上に浮かぶ近未来都市の不穏さ。
4位「Mindkiller」/SEVENTH WONDER
プログレ然とした紆余曲折の複雑なメロディをいとも簡単に歌いこなすことで、結果としてストレートに響かせてしまうこの圧倒的歌唱力。
基本的に演奏の技術と楽曲のクオリティは切り分けて考えるべきだとは思うが、こういう曲を聴いてしまうと、ときに技術を前提としなければ生まれ得ない優れた楽曲があるというのもまた事実。
5位「Brokenhearted」/GINEVRA
メロディアスでありながら独特な癖を持つこのバンド独自のバランスが見て取れる一曲。
安定した歌唱力と秀逸な歌メロだけに頼らないアレンジの妙の細やかさも聴きどころで、サビでリズムが突如裏に入るあたり、美旋律に甘えがちな楽曲をタイトに引き締めている。
6位「Desire」/DEGREED
この曲のリフにはギターフレーズ・オブ・ザ・イヤーを差し上げたい。
逆に言えばほとんどそれに尽きる楽曲であるとも言えるが、ここまで曲を引っ張り切れるギター・リフというのも滅多にあるものではない。
7位「The Music Box (feat. Renan Zonta)」/JANI LIIMATAINEN
思いきって歌に的を絞ったソングライティングとアレンジが、いまや引く手あまたの実力派Vo.レナン・ゾンタの魅力を引き出しきっている。
力強さだけではない、彼の繊細な歌唱の魅力を存分に味わえる楽曲。
8位「The Final Fantasy」/WILDNESS
冒頭を飾るギター・リフのTNTっぽさからしていい予感しかしないが、そこから徐々に高まっていき、サビで泣きを炸裂させる北欧ならではの美旋律。
バンド名の野蛮さと楽曲の美しさとのかけ離れっぷりも、TNT譲りというべきか。といっても、全体としてそこまで似ているわけではないが。
9位「Fever Eyes」/BOMBER
北欧から乾いたロックン・ロールを響かせる新星。
ときにこの曲のようにおそろしくキャッチーな楽曲を生み出すあたりも含めて、THE HELLACOPTERSを彷彿とさせる。
10位「Night Reaction」/CAPTAIN BLACK BEARD
一部メディアでは「ディスコAOR」と称されているらしいが、この異様に明快なメロディを聴けばそれも納得。
Official髭男dismというのは、こういう人たち(↓)のことを言うのではないか。
【今年のベスト10楽曲を、Spotifyでプレイリスト化してみました】