1位「1001」/ART NATION
ほとばしりまくる哀愁。突き抜けるようなメロディがとにかく素晴らしい。泣きの美旋律が好きなら、必ずや琴線に触れるものがあるだろう。
アルバム部門でもアレクサンダー・ストランデルの歌うアルバムを二作入れることになったが、曲単位でも二曲入れるにふさわしい活躍ぶりだった。
2位「The Lucid Dreamer」/MAGNUS KARLSSON’S FREE FALL
当ブログではすっかりお馴染みのマグナス・カールソン。しかし異様なまでの多作と器用貧乏が祟って、それなりに当たりはずれがあるのも否めない。
今回、アルバム単位ではわりと無難なほうの作品ではあったが、この一曲に関しては彼の美点が詰まった素晴らしい楽曲であると思う。
タイトな音作りやシンバルの連打でコージー・パウエルを思わせる、アンダース・コラーフォルスのドラムも非常に効いている。コージーが参加したYNGWIE MALMSTEENの名盤『FACING THE ANIMAL』を思い出した。
3位「Caught Feelings」/CARE OF NIGHT
この異様にキャッチーなイントロのフレーズを聴いて、真っ先にチェッカーズを想起したのはPRAYING MANTISの「Best Years」以来かもしれない。
ベタであるがゆえの強烈なつかみ。その扇情力には抗い難い。
4位「Jesus He Knows Me 」/GHOST
やや反則気味なのでこの順位にしたが、本当は1位にしたいくらい素晴らしかった。ポップかつ浮遊感のあるメロディ。そしてスムーズだがどこか引っかかりのある展開。GHOSTによるGENESISのカバー・ソング。
音楽的方向性はだいぶ異なっているように思われるにもかかわらず、完璧にGHOSTの楽曲に聞こえるのが凄い。オリジナルVer.と比較すると、その違いがわかってなお面白い。
なぜかGHOSTのほうのMVには年齢制限がかかっているようだが……。
5位「Juliette」/CROWNE
アレクサンダー・ストランデルが歌うもう一曲。
北欧らしさに関しては、こちらのほうがさらに強いかもしれない。歌の伸びやかさはあちらのほうが上だが、それでも充分に胸に迫る歌唱。
6位「Love Or A Fantasy」/GRAND DESIGN
CARE OF NIGHTに続いて、こちらもまた往年のJ-POP的なキャッチーさを放つ一曲。
見た目にそぐわぬ甘酸っぱいメロディに、心が洗われるよう。
7位「Nostalgia」/ENFORCER
題名が予言したとおりに奏でられる、絶望的な哀しみ。
サビで歌メロの後を追うギターの旋律が、さらにそれを増幅させる。
8位「Panic Attack」/JUDAS PRIEST
来年出るアルバムから先行公開されている楽曲。
今年の曲として扱って良いものか迷ったが、アルバムにはさらに良い曲が入っていることを期待して。
9位「Burning Skies」/VANDENBERG
アルバム全体としては、初期の北欧感よりはWHITESNAKE以降のブルージーな感触が強く、やや物足りない印象。
だがこの楽曲に関しては、北欧美旋律とブルーズの境界線上にあるマッツ・レヴィンの歌唱を上手く生かしていると感じた。うねるギター・リフとねちっこいサビのフレーズが癖になる。
10位「Farewell」/ALL MY SHADOWS
賛美歌のような、とにかく美しい楽曲。聴けば自然と遠い目に。
【今年のベスト10楽曲を、Spotifyでプレイリスト化してみました】