身も蓋もないエントリだが、たまにはシンプルに最近よく聴いている音楽を素直に紹介してみようかと思い。
というのも、時々はこうやって書き留めておかないと、いざ年末になって「今年って何聴いてたっけ?」となってしまい、年間ベスト作選びをまた一からやるハメになる。かといって、一作ごとに逐一レビューを書いていくのも労力がいる。
別に年間ベストだってわざわざ選ばなくても良いのだけど、勝手恒例にしてしまっているので選ばないわけにもいかない。それにそこでまた選んでおかないと、今度は十年後とかに「あの頃って何聴いてたっけ?」と頭を悩ませることになる。それだって別に悩ませとけばいいんだけれども。
てなわけで、最近よく聴いている曲を。
◆NESTOR/「Victorious」
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どうも近ごろ、わりとワイルド&スリージー系のハード・ロック・バンドに良質なメロディを持った楽曲が多い。これは一種の流行なのかなんなのか。ジャケットやMVのイメージから入ると、思いがけずポップかつ繊細な旋律が浮かび上がってきて、良い意味で面喰らうことがある。
逆に言えばジャケットで判断すると聴き逃す可能性があるので、ジャケ買いが難しい時代だ。なにごとにも偏見を持つべからず、というメッセージでも込められているのだろうか。
このNESTORも、時代が時代ならいかにもGUNS N' ROSESフォロワーといったジャケットだが、中身は北欧ハード・ロックというかもはやハード・ポップですらある。
◆KISSIN' DYNAMITE/「My Monster」
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こちらはアルバム8作目のベテランだが、やはりジャケットにしろバンド名にしろワイルド&スリージー。しかしそのメロディのクオリティは、作を追うごとに上がっている。
前作は本国ドイツのチャートで2位に食い込んだらしい。2位も意外だがドイツのバンドだったというのも意外というかいまさら気づいた。勝手に「LAメタルに憧れた世代が北欧で結成したバンド」だとずっと思っていた。つまりそれほどに、美旋律へのこだわりが感じられる。
◆EVERGREY/「Falling From The Sun」
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個人的にはなんとなく煮え切らないゴシック・メタルというイメージがあったバンドで、ずっと可もなく不可もなくという印象だったのだが、今作の冒頭を飾るこの曲はとてもキャッチーで、思わず再生中のアーティスト名を確認した。やはり間違いなくEVERGREYだった。
アルバムの中でもこの1曲目が飛び抜けて質が高い気がするが、いつのまにか彼らも世界中で評価されるメジャーなバンドになっていたらしい。改めて過去作も溯って聴き直す必要があるかもしれない。
◆NEW HORIZON/「King Of Kings」
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2022年の年間ベスト10に選んだH.E.A.T絡みプロジェクトの第2作から。
Vo.が交代したこともあり、前作ほどのNOCTURNAL RITES感はなく、そこが個人的には少々寂しいが、相変わらずメロディアスな正統派HMを堂々とやっている。H.E.A.Tよりもこちらを重視してほしい。
◆SUICIDAL ANGELS/「Purified By Fire」
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ギリシャ産スラッシュ・メタル。とにかくこの曲のリフの殺傷力は凄まじい。SLAYERやTESTAMENTの名曲群に匹敵。今年のベスト・ギター・リフはおそらくこれで決まりだろう。
◆REMEDY/「Moon Has The Night」
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なんとなく垢抜けきらないところも含め、実に北欧らしいバンドであり楽曲。アルバムを通しての平均値も高く、下手に新境地へ手を出して失敗する予感がしない。そういう意味で北欧HRファンからは早くも信頼を得ているような。
◆STRIKER/「Best Of The Best Of The Best」
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なんだか勢い一発みたいなバンド名とジャケットだが、意外と楽曲の質で勝負できるカナダ産パワー・メタル・バンドの1曲。
豪快かつ明快でありながら、やはりメタルの歴史をしっかりと踏まえていなければ創り得ない質を備えているように思う。