死んでいるのと生きているのでは、大違いなのか一緒なのか。
本日、各種ボタン取れ放題だった革ジャケットが修理から蘇ってきたので久々に着たいと思っているのだが、革製品のお手入れ方法にいつも迷う。
通常は専用のクリームかなんかを塗っておけば良いのだろう。革靴なんかはそのへんはっきりしているし、たぶん革ジャケットに最適なクリームなんかも、あるとこへ行けばあるのだろう。
だが革とは元来、牛や馬ら動物たちの皮膚である。ならば人間の皮膚とあまり変わりないのではないか、という疑念が浮かぶ。何が言いたいかというと、ニベアを塗っては駄目なのかということだ。
いやオロナインでもSK-Ⅱでもプロアクティブでもなんでもいいのだが、要は人間の皮膚に使用しているクリームを塗り込んではどうかという疑問、というか提案。
普通に考えれば、牛の革に塗るクリームよりも、人の皮に塗るクリームのほうが高級であるべきかと思う。もちろん値段はそれぞれピンキリだろうから、どちら用が高いかもまた商品によるのだが、なんとなく人間の肌に塗るもののほうが、肌にやさしいイメージがある。となると、やさしいのだから牛にはもっとやさしいと考えるか、やさしすぎて牛には効かぬと考えるべきか。ちなみに僕の革ジャケットは馬革だが、馬の皮は牛よりも強固なため、より対応が難しい印象があるがどうなのか。
だが問題は、そんなレベルではないのかもしれない。問題は、相手が生きているか死んでいるか、その点にこそあるのではないか。
要するに馬革のジャケットは死んでいる。僕はそう、馬の死体をまとうのである。グローブだって革靴だって死体には変わりない。
人の皮膚に塗るクリームは、基本的に生きている人に使用されることを目的としている。生きた皮膚には新陳代謝があり、クリーム側もそういった人体活動をあてにしている部分も何かしらあるように推測する。そのような機能が、死んだ革にも通用するものかどうか。
悩みどころは、人用クリームのほうが、香りが良く安いものが多いということである。一方で革用クリームの場合、堂々と脂の臭いがする。
たまに革財布にオロナインを塗ってみたりしたことはあるが、なんだか良い具合にしっとりいい匂いになったものの、かなり長い間ベタついていたような気もする。逆にグローブオイルを手のひらに塗ってみたら、突如として手のひらが柔らかくなるなどという事態になるのだろうか。
後楽園ゆうえんちで、脂臭い手のひらで、僕と握手!
そんな革レンジャー。