泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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『THIS WAR IS OURS』/ESCAPE THE FATE 『ディス・ウォー・イズ・アワーズ』/エスケイプ・ザ・フェイト

ジャケットはAVENGED SEVENFOLD(以下A7X)の名盤3rd「CITY OF EVIL」を連想させるが、その期待に違わぬ出色の出来。こちらはEPITAPHレーベルから出ているだけあって、根底にパンク/メロコアテイストが香る。それが明確な個性となり、メロディの充実度につながっているのが新鮮だ。

「21世紀のガンズ」の称号は、バッド・ボーイズ・ロックという意味では、こちらのほうがふさわしいかもしれない(いやガンズは今もいるんだけど)。メタルサイドからガンズに接近したのがA7Xとすれば、ESCAPE THE FATEはパンクサイドからアプローチしている印象。

ジャンル的にはエモ/スクリーモ方面として扱われてきたようだが、メロディアスなハード・ロックとして非常に出来が良い。激しい曲からアコースティックなバラードまで、何をやっても核となるメロディのクオリティが高い。

売れっ子ジョシュ・トッド参加の⑨“10 Miles Wide”は、ワイルド・ロックンロールかくあるべしの名曲で、BUCKCHERRYのどの曲よりも生き生きした彼のヴォーカルが聴ける。このざらついた感触は、楽曲の良さがジョシュの内に眠るパンク魂を引き出した結果だろうか。

全体に硬軟緩急取り混ぜたバラエティに富んでおり、それを「飽きさせない」と取るか「散漫」と取るかで印象はだいぶ変わってくるだろう。だがこれもまた、80年代HRへのアプローチ方法として興味深い成功例の一つと言える。

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