泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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2016-01-01から1年間の記事一覧

客中求人3

「お客様の中に、痛みに耐えてよく頑張ったかたはいらっしゃいませんか?」「お客様の中に、恋人がサンタクロースのかたはいらっしゃいませんか?」「お客様の中に、死亡推定時刻を過ぎているかたはいらっしゃいませんか?」「お客様の中に、ロマンスの神様…

「ヤメて!」万能説 feat. 横山弁護士

◆『風雲!たけし城』のジブラルタル海峡で城みちるのバレーボール砲をしこたま喰らい、「ヤメて!」と横山弁護士。◆『世界まるごとHOWマッチ』で大橋巨泉から初対面なのに呼び捨てにされ、「ヤメて!」と横山弁護士。◆『なるほど!ザ・ワールド』で、愛川欽…

言ってない名言

世の中には、「すでに言われている名言」が数多くある。名言を言った人が有名人になるのか、有名人が言ったから名言になるのか。重要なのは、「いまだ言われていない名言」というものが、無数に存在するということだ。言われるべきであるのに、言われていな…

悪戯短篇小説「損失の多い挑戦者」

今日は久しぶりに、小銭拾い放題の店に行った。もちろん、自分で落とした銭を自分で拾うのである。デニムのポケットから革財布を取り出し、半径1メートルあたりに小銭をそっとばら撒いていると、横からサッと手が差し出され、落としたての百円玉をかっさらっ…

声に出して言いたい濡れ衣

「それでもボクはやってない!」(松島トモ子にヒョウが)「それでもボクはやってない!」(ラジオ体操第2を。第1はやった)「それでもボクはやってない!」(夏休みの宿題を)「それでもボクはやってない!」(越後屋)「それでもボクはやってない!」(ジ…

客中求人2

「お客様の中に、『タモリ倶楽部』のオープニングで尻を振っているかたはいらっしゃいませんか?」「お客様の中に、盗んだバイクで『バイク王』へ直行したかたはいらっしゃいませんか?」「お客様の中に、自転車のスポークに蛍光の毛虫みたいなフサフサを巻…

客中求人

「お客様の中に、前に歩いているように見えて後ろに歩くことのできるかたはいらっしゃいませんか?」「お客様の中に、決死の台風リポートでブレイクした地方局アナウンサーのかたはいらっしゃいませんか?」「お客様の中に、後輩から手ぶらで帰らせるわけに…

短篇小説「河童の一日 其ノ九」

まもなく夏休みが終わる。僕は河童だけど人間の学校に通っているので、夏休みもあれば宿題もある。こんなに宿題があるなら夏休みなんていらない。というのはもちろん嘘で、むしろ人一倍(じゃなくて河童一倍?)この夏休みを「夏休んだ」覚えはある。オリン…

【おとなの自由研究】タチヒロシの捕まえかた

タチヒロシを捕まえるのは、その道のプロでも難しい。タチヒロシは「泣いている女性」を慰めに来る習性があるため、まずは「泣いている女性」を探そう。そして女性の傍で、「チャイニーズティー」を嗜みながら全方位に目を光らせること。ただし貴方が女性を…

今週の「チャレンジで投げ入れたいもの」ベスト10

1位 (↑2)脱ぎたての靴下 2位 (↓1)キン消し 3位 (→3)ご当地キティ 4位 (↑6)肩ロース 5位 (↑12)司会者のかぶせもの 6位 (↑9)万国旗 7位 (↓4)8cmシングル 8位 (→8)赤ヘル 9位 (↓7)つきたてのお餅 10位(↑108)野生の馬※カッコ内は先週の順位。

リオ五輪の贈りもの(誤配)

大きな出来事のあとには、必ずその影響があちこちに見受けられるもの。特に五輪の影響は毎度大きく、過去にも冬季五輪の直後にスケート場が混雑したり、日本代表の善戦を観て突如カーリングをはじめる人が続出、なんてこともあった。あのとき勢いあまって用…

使えない自由研究

学生にとっては夏休みも残り一週間。あー夏休み。何も言えなくて…夏。ひとりごと以外は基本、何も言えず、時には「あー」くらい言ってるうちに甲子園もリオ五輪も終わり、残されたのはただひとつの決定的な事実。「夏休みの宿題どうしよう」夏休み終盤といえ…

偉大なる司会者くん

日本人選手が多くのメダルを獲得したリオ五輪レスリング競技の影響を受け、人気クイズ番組『世界ふしぎ発見!』でも、マスコット人形を投げ入れる「チャレンジ」制度が導入されることになった。投げ入れられるのはもちろん、偉大なる司会者の偶像としての「…

真夏の果実、常温の過失~八百屋の軒先に並んだ不機嫌な果実たちへ~

八百屋の軒先に果物が並んでいるのを見ると不安になる。なんのことはない、ごく当たり前の状況である。だからこそ不安なのだ。そもそも「当たり前の状況」が、いつも確固たる根拠を持っているとは限らない。むしろそれが「当たり前である」という状況にあぐ…

捨てる神に拾う神、その他の神も様々にあり

「捨てる神あれば拾う神あり」とことわざにあるが、むろん両者の数が同じであるとは限らない。事実、近年は「拾う神」の減少(少神化)が叫ばれている。捨てて身軽になる神ばかり多くて、「拾う神」はいつも両手いっぱいに人間を抱えて歩いている。これでは…

パチモンGO~『ポケモンGO』便乗没企画すぐやらない課~

『ポケモンGO』が日本でも配信され誰もが狩りに興じている。今ごろあらゆる会社がこの流れに便乗しようと、おっとり刀で動き出しているに違いない。そもそも『ポケモンGO』とは基本的に、『イングレス』というすでにあった「位置ゲー」のシステムに、ポケモ…

悪戯短篇小説「出かけない三郎」

三郎はとにかく出かけない。一郎と二郎はむしろ頻繁に出かけるほうだが三郎はわざわざ出かけたりしない。晴れの日も出かけないが雨の日はさらに出かけない。雪の日に出かけるのは、特に雪が好きだからではなく、三郎が「俺は晴れの日も、雨の日も、曇りの日…

短篇小説「河童の一日 其ノ八」

夏が来た。河童だって流れるプールが好きだ。今日は茨城から泳いできた爺ちゃんと、遊園地のプールへ行った。遊園地へ行くと必ず子供たちが寄ってくるけど、握手をしてあげると皆あっさり引き下がってくれるので問題はない。手が思いのほかビチョビチョだか…

全自動不信症候群

どうも「自動」というやつがいまだに信用ならない。それは「任せといてください!」と豪語する部下を信頼して仕事を任せたらよけい面倒なことになった、という感覚に似ている。昨日は最高気温35度。まだ絶賛梅雨期間中にもかかわらず、ほぼノーモーションで…

投票用紙の思いがけずツルッとした書き心地~18歳選挙権から考える民主主義のリアル

こたびの参院選より、いよいよ選挙権が18歳から与えられる。これは大変なことになった。何しろ18歳といえば若い。こう書かれてムカついた18歳がいるとしたら、それこそが若さだ。「若い」と言われて怒るのが子供で、喜ぶのが大人である。僕も18歳のころは洟…

《虚空人名辞典》-二度見村チラ美

二度見村チラ美(にどみむら チラみ、1970年3月31日-)は、芸能リポーター、万引きGメン、視力回復療法士である。青森県むつ市出身。ルックルック視力回復センター所長。・両目ともに3.5という驚異的な視力を誇ることから、愛称は「サンコン」「オコエ」「…

《虚空人名辞典》―日焼田海男

日焼田海男(ひやけだ うみお、1967年8月10日-)は、漁師、演歌歌手、ライフセーバー、UVアナリストである。千葉県山武郡九十九里浜町出身。株式会社サンバースト・カンパニー代表取締役社長。・愛称はその日焼けした肌の黒さから、「ノドグロ」「おこげ」…

舛添都知事がどうしてもリオに行きたい5つの理由(虚偽記載)

政治資金流用問題などにより都議会で辞職を迫られている舛添都知事が、「どうしてもリオ五輪に行きたい」ので猶予が欲しいと懇願しているらしい。なにやら、「次期開催都市の首長として五輪旗を受け取る」というセレモニーがあるらしいのだが、お子様ランチ…

《虚空人名辞典》―レジ万札減ル美

レジ万札減ル美(レジまんさつ ヘルみ、本名:金村成美、1994年12月18日-)は、日本のアイドルグループ・賽銭ゴールドラッシュのリーダー、声優、パートタイマーである。富山県魚津市出身。ヘヴンアンドヘルプロモーション所属。・愛称は「ヘルミン」「レジ…

「動詞君ノンストップ」

駅前の喫茶店内であばれる君があばれ出したとき、勇敢にも彼を止めにかかったのは店長のふられる君ではなく常連客のつよがる君だった。ふられる君は昨日雇ったウエイトレスにたったいま厨房でふられたばかりで、それどころではなかったのだ。とはいえ、特に…

とにかく休まない衣笠

「とにかく休まない衣笠」という芸名で、『R-1ぐらんぷり』にエントリーした衣笠。しかし芸風が「とにかく休まず現場に来る」というものであったため、ただただステージに立ち尽くすのみで、残念ながら予選一回戦で敗退。だが決勝まで休まず会場に来続けるこ…

NHK-FMで新番組『音楽ガハハ』はじまります

おととし11月と昨年8月に特番として放送された、マキタスポーツ×レキシ×やついいちろうによるラジオ番組『音楽ガハハ』。この4月から月イチでレギュラー化されることになり、本日4月27日、23時より初回が放送されます。放送は毎月最終水曜23時~24時の1時間…

「揺れながら落ちる寿司」

「回転寿司は、どうして回っているの?」街道沿いにある全国チェーンの回転寿司店内に、男の子の素朴な疑問が響きわたった。タッチパネルで注文するタイプの大型店であるため握り手の姿は遥か遠く、その問いかけは届くはずもない。少年の左隣に座っている母…

『GHOST OF GRACELAND』/TREAT

ゴースト・オブ・グレイスランドアーティスト: トリート出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2016/04/13メディア: CDこの商品を含むブログを見る結論から言えば、前作があまりに良すぎた。本作は、それを踏まえた上での佳作。北欧美旋律の伝道師、TREAT…

【歌詞】ありもしない思い出ソング「無いのメモリー」

そうさいつだって君は 雨のなか傘も差さず歩いていたね 亀の背中に爪楊枝差して飼っていたね道端に佇む地蔵の笠を 奪っては投げちぎっては投げ 鳩の糞まみれの銅像の首を 空手チョップで刎ねた夜 勝手知ったる賽銭箱の中 膝を抱えてただ泣いていたっけおうよ…

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