泣きながら一気に書きました

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EURO2024日記~8日目~

フランス対オランダは、思ったよりも互角の試合に。いまの支配的なフランスを相手にオランダがあのメンバーであれだけボールを持てるとは、正直予想していなかった。そこはやはり、オランダ代表という歴史の積み重ねがあるということか。

フランスは相変わらず魅力的なパスサッカーを展開しており、中心はいまやすっかりベテランのグリーズマン。この日はエムバペがいないぶん、よりその傾向は強かったかもしれない。とにかくボールは彼を経由することが多く、それに応えるように彼はどこへでも顔を出す。

彼が決めきれていれば勝ったし、決め損ねたので勝てなかったという試合だった。

どこへでも顔を出すといえば、守備におけるカンテはそれ以上かもしれない。相変わらず肺がいくつあるのかと。

そしてアーセナル的にはサリバだが、どうやら彼はようやくスタメンに定着した模様。事前には怪我の情報もあって心配だったが、初戦よりもピンチを防ぐ重要なプレーが多かったように思う。攻撃に関しては、アーセナルのときのようにボールを持って飄々とドリブルで侵入してゆく場面はほとんど見られないが、それはデシャンには求められていないのだろう。

オランダは初戦に比べると明らかにボールのまわりも回収も良くなっており、意外とクーマンにはチームを改善するアイデアがあるのかと少し見直した。

前戦で投入直後に得点を決めたヴェグホルストの高さにたやすく頼ってみたりするのかと思いきやそんなことはなく、ここはむしろフリンポンでスピードを加えてきた。シャビ・シモンズも初戦よりは生きており得点未遂もあったし、ガクポの決定力はやはりいつでもどこでも脅威になる。中盤でもかなりボールがスムーズにまわるようになってきた。この調子だと意外といいところまでいけるのかもしれない。

一方でフランスはらしいサッカーを展開しているものの、エムバペがいないとやはり決定力に物足りなさは感じる。右サイドのデンベレは調子にかなり波がある感じで、左サイドもしくはトップのテュラムは逆にコンスタントに働いてくれはするものの、最後の最後で決め手に欠けるきらいがある。

そうなるとその後ろからグリーズマンが決めるしかなくなるわけだが、それはそれで彼の負担が大きすぎるというまた別の問題が出てくる。やはりいくらタレント揃いのチームでも代えの利かない選手というのはいるもので、グリーズマンは間違いなく現フランス代表にとってそういう選手になっている。

この先日程が詰まって疲労が溜まってきたときに、そこは改めて大きな問題になってくるように思われる。

今夜の注目はポルトガル、そしてベルギー。いずれも対戦相手(前者はトルコ、後者はルーマニア)が好調な滑り出しを見せているため、まったく侮れない。

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