泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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EURO2024日記~10日目~

気づけばもう大会も10日目。試合数も少し落ち着いてきて、観るこちらとしてもだいぶ気が緩んできているという自覚がある。そしてこの先には遠からず大会の終了が見えてきているような気もしはじめて、すでに寂しさすらもうっすらと。いや本番は決勝トーナメントに入ってからなんだぞと、それはもちろんわかってはいるのだが。

さて、すでにグループリーグ突破を決めており、あとは1位通過を狙うかどうかという状況の開催国ドイツと、この一戦に突破がかかっているスイス。そうなるとモチベーション的にはもちろん後者が上ということになるが、ドイツもメンバーを落とさずに来た。

前半ドイツの先制ゴールで試合はもうほとんど決まりかと思いきや、これが直前のファウルにより取り消されてそのあとスイスが先制点。ドイツはいつも通りのポゼッション・フットボールを繰り返しているが、やはり個人で得点の匂いを漂わせているのはムシアラ。

後半はじまってまもなく、ヴィルツからそのムシアラに出たスルーパスの軌道があまりに美しく、やはりヴィルツの才能を確信する。しかしこれも決めきれず、まあこういう日もあるさ、という諦念も漂わせつつ終盤へ。

そこで最後の最後、ほとんどパワープレイで引き分けに持ち込めたのは出来すぎだが、こういう試合でも崩しきれる手札があるのかというと、それは見あたらなかったかもしれない。本来はサネあたりが切り札になるべきところだが、やはりムシアラを下げてしまうと攻撃のアクセントがなくなってしまう感は拭えず。

一方でスイスは、相変わらず粘り強い戦いを見せるチームだ。そして後半追いつかれる直前に放たれた、ジャカの強烈なミドル。止めるノイアーも流石というほかないが、久々のジャカ砲を目撃して懐かしい気持ちになった。

結果、このグループAは1位ドイツ、2位スイスが順当に勝ち抜け。さらに3位のうち成績上位4チームも突破という大きめのおまけがあるようだが、追加で4チームも行けるのかという感じではある。大盤振る舞いというか中途半端というか。

今夜は大会前から「死のグループ」との呼び声高かったグループB。スペインはすでに突破を決めているが、ここまで勝てていないクロアチアは、この一戦でイタリアを下せば逆転で突破が決まる。

スペインは相手がアルバニアということもあって、早めに勝ちを決めて選手を温存したいところ。あるいは消化試合と割り切って、先発メンバーをがらりと代えてくる可能性も。

内容的にはスペインを観たいが、状況を考えれば闘いとしてはクロアチア対イタリアのほうが俄然熱い。背水の陣のクロアチアはもう攻めに出るしかないが、受けて立つイタリアはどこまで守りに入るのか。先にクロアチアが点を取って、イタリアを前におびき出してくれると面白くなるのだが。

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