泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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2010-01-01から1年間の記事一覧

ナイスミドル養成講座【7時間目】

●女性との会話において、「ごらん」「おいで」「ほら」の〔三大柔和ワード〕を、照れずに何度でも繰り出すべし。【例文】 「このもえぎ色のワンピース、着てみてごらんよ」 「せっかくの機会だから、二次会も楽しんでおいでよ。俺は近くのバーで待ってるから…

蔦からまる夏空のまつり

現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』7月号に、 筋肉少女帯『蔦からまるQの惑星』 Galileo Galilei『夏空』 back number『あとのまつり』 のディスクレビューを書きました。ちなみに過去のディスクレビューは、ロッキング・オンの公式ウェブサイト『RO69』 http:…

【検証】七分袖のシャツに八分丈のパンツを合わせるとどうなるの?

世の中には相性の良し悪しというのがあって、初歩は食べあわせから果ては化学反応に至るまで、ちょっとした組み合わせで大変なことになる場合がある。そこからは事故も発明も、どちらも飛び出す可能性がある。ということと同時に、僕はどうも七分やら八分や…

ナイスミドル養成講座【実例編1】

モウリーニョ:「私は出ていく」www.goal.comチャンピオンズリーグ優勝を決めた直後に、「悲しいよ」ではじまり「私は出ていくよ」で終わる余韻たっぷりな台詞。とても勝者の言葉とは思えぬこの哀愁は、まさにナイスミドル。モウリーニョがナンバーワンかつ…

ナイスミドル養成講座【6時間目】

●失恋で泣いている女性を、軽率な笑いで慰めようとしてはいけない。むしろフランスで仕入れた深イイ話を聞かせることで、涙の質を哀しみから感動へ、マイナスからプラスへと変換する。●髭を剃るときは、よく撫でてから剃る。同じく、物を捨てるときには、よ…

それにしても雨の多い春だった

本日発売の『ROCKIN'ON JAPAN』6月号に、 ASIAN KUNG-FU GENERATION『迷子犬と雨のビート』 Prague『Distort』 のディスクレビューと、 『芸人報道GNN』 のTVレビューを書きました。

ナイスミドル養成講座【5時間目】

●歯は塩で磨く。ブラシは指。●雨のなか傘を差すときには、コンスタントに持ち手と反対側の肩を濡らすよう心掛ける。それにより、誰かしらか弱き者(子供、老婆、組織に追われている善良な内部告発者、子犬など)を守って歩いてきたような印象を与え、それを…

『FEVER』/BULLET FOR MY VALENTINE

フィーヴァー(初回生産限定盤)(DVD付)アーティスト: ブレット・フォー・マイ・ヴァレンタイン出版社/メーカー: SMJ発売日: 2010/04/21メディア: CD購入: 3人 クリック: 16回この商品を含むブログ (8件) を見る「才能がようやく適切な形を得た」というような…

ナイスミドル養成講座【4時間目】

●突如として手品を求められた場合、安易に鳩を出してはならない。そんなときのため、常時ポケットに万国旗を忍ばせておき、思い切りよく引き出す。それにより、ナイスミドルには不可欠なグローバルな側面をもさりげなくアッピールすることができる。どうして…

ナイスミドル養成講座【3時間目】

●部下の女性は「クンづけ」で呼ぶ。しかし下の名前にクンづけすると、漫画雑誌の水着グラビアページのアオリ文になってしまうので、名字にクンづけで。ただし相手が賀来千香子の場合は、「カククン」となってしまい呼びにくいので、「千香子クン」で構わない…

【早口言葉】スタバでスタンバイするスタイリストのスタンプ

コブクロノオオブロシキ。 コブクロノオオブロシキ。 コブクロノオオブロシキ。三木道三の右、父さん。 三木道三の右、父さん。 三木道三の右、父さん。核近くに賀来千香子を各自描く。 核近くに賀来千香子を各自描く。 核近くに賀来千香子を各自描く。かく…

『1Q84』BOOK3/村上春樹 Part2

物語全体の流れや構成を考えれば、悪く言えば「蛇足」、良く言えば「補足説明」といった感の強いこのBOOK3だが、だからこそ発揮されている面白さというのもまた確実にある。それは「ストーリーを前に進めなければならない」という義務感から開放されたことで…

ナイスミドル養成講座【2時間目】

●カラオケでは、若い世代の歌に手を出してはいけない。逆に自身の世代よりもひとまわり上の曲を歌うことにより、自分が上の世代に可愛がられてきた選ばれし人間であることをさりげなくアピールすることができる。●テーブルクロスが目の前にあれば、これを鮮…

『1Q84』BOOK3/村上春樹 Part1

これはつまり大ボスを倒した後のピロートークなのだ。たとえば漫画でもRPGでもいい。少年漫画ならば連載を長続きさせるための引き延ばし工作であるし、RPGならばもはや決まりごとのように「クリア後の世界」が期待されている。だがそういった「その後の世界…

ナイスミドル養成講座【1時間目】

●質問に対する答えとして、「はい」「好き」「そうしよう」「楽しい」「嬉しい」「ナイスですね」等の直接的なポジティブワードは使うべからず。使っていい答えはただ一つ、「悪くない」。●街頭でポケットティッシュではなくトイレットペーパーを配布してい…

『SLASH』/SLASH 『スラッシュ』/スラッシュ

改めて“ギタリスト”スラッシュの実力を思い知らされた。逆に言えば、スラッシュはあくまでも、いちギタリストとして優れているということだ。ソングライターとしては、スネイクピット時代と同等の物足りなさが残る。今回は特にギターの音色とフレージングが…

詩「タレン人」

高木ブーみたいなオバハンが原付乗ってる ちゃっかりヘルメットかぶっちゃってさ ぷっくりパーマはみ出ちゃってさ スチールウールが酸化中なんだか足は開いてる 微妙に宙に浮いている 肩幅よりはやや広め 肩だか腕だかわからない ご期待どおりの肩ロース地に…

UEFAチャンピオンズリーグ アーセナル 2-2 バルセロナ 1st leg

似たような方向性を持つ二者を実際にぶつけてみたとき、その違いは如実に現れる。目立つのは共通点よりも差異であり、また同じものさしを使ってある程度までは測ることができるため、レベルの違いが浮き彫りになる。迅速かつ精密なパスサッカーを標榜するこ…

あらゆる過剰に愛情を

本日発売の『ROCKIN'ON JAPAN』5月号に、 9mm Parabellum Bullet『Revolutionary』 tacica『神様の椅子e.p.』 D.W.ニコルズ『ONELBUM』 のディスクレビューと、 ロッチ『ロッチラリズム』 ハライチ『ハライチ』 東京03『第九回東京03単独ライブ いらいら』 …

『楢山節考』/深沢七郎

楢山節考 (新潮文庫)作者:七郎, 深沢発売日: 1964/08/03メディア: 文庫日本文学史上の名作とされる「楢山節考」。しかし期待に反して表題作は特別面白いとは感じなかった。良くある昔話というくらいの印象。もちろん上手いが。ここではむしろ、この中に収録…

近頃半聴目録

まだ聴き込めていない段階のメモあるいはメモリー。●『MERCY FALLS』/SEVENTH WONDER 北欧のプログレ・メタル3rd。日本盤未発売。 DREAM THEATERの1stをヨラン・エドマンが歌った感じ。 この手のバンドにしてはVoが安定している。 透明感がありながらもヨレ…

生まれかけのradiko

3月15日より、インターネット上でラジオをフルに聴けるようになった。そのプロジェクト名(?)を「radiko(ラジコ)」という。「RIKACO」のようなひと昔前のお洒落感とミジンコのような矮小さが滲む名前が切ないが、「RIKACOのデコ皺には無数のミジンコが住…

「悪い人はいない」シリーズ

「犬を好きな人に悪い人はいない」とかよく言いますが、そうとも限らないのが世の常。ドッグフードを万引きする人もきっといるはずだし、「犬の糞は持ち帰れ」的な看板もあちこちに。しかし一方で、「人間の良心」を心から信じてみたい、信じたいという気持…

今や日本の欧文バンド名のほうが気が利いている、ような気が時にする

現在発売中の『ROCKIN'ON JAPAN』4月号に、Nothing's Carved In Stoneのライヴ評と、Northern19の新作、Base Ball Bearの武道館DVD、NICO Touches the WallsのPV集のレビューを書きました。

『BLACK GIVES WAY TO BLUE』/ALICE IN CHAINS 『ブラック・トゥ・ブルー』/アリス・イン・チェインズ

◆蒼い憂愁が真っ白な希望を立ち上げる謙虚さと自信について、よく考える。人間にとって大切なのは、何よりもこの二つであるように思う。まるでどこかの社長が新入社員向けのスピーチで言いそうなことだが、それ自体はおそらく間違ってはいない。しかしこの両…

『REQUIEM OF TIME』/ASTRAL DOORS 『レクイエム・オブ・タイム』/アストラル・ドアーズ

今やすっかりヴィジュアル系ニュースキャスターに転身してしまった古舘伊知郎的に表現するならば、「納豆唱法」とでも呼びたくなる粘っこ〜い歌唱法でおなじみ、ニルス・パトリック・ヨハンソン率いるバンドの5thアルバム。基本的には相変わらずの後期BLACK …

『R-1ぐらんぷり2010決勝戦』

◆伏線と脱線のサンバ 本当に良かった。いつも以上に審査基準が見えづらく、クオリティに明確な差があるわりには点差の少ない展開のなか、この日ダントツに面白かったあべこうじの優勝には心の底から納得、そして祝福。明らかにベタ寄りで関西ホームな審査基…

『R-1ぐらんぷり2010 サバイバルステージ』

どうも決勝に残っている面子が微妙だなと感じていた今年の『R-1』。名前を見るかぎり敗者復活戦の方が楽しめる、と思いきや、そうでもなかったのだった。以下、まずはそれぞれについての感想を登場順に。【ユリオカ超特Q】 ハゲネタ一本に絞ってきたのは潔い…

壊れかけのレディオに希望はあるのか?〜『JUNK 雨上がり決死隊べしゃりブリンッ!』終了告知を受けて

TBSラジオ『JUNK 雨上がり決死隊べしゃりブリンッ!』が3月いっぱいで終了との報が、昨日の番組内で告げられた。テレビではおかっぱにすっかり隠されている蛍原の狂気と、現時点で全媒体中No.1を誇るハガキ職人のネタが特に秀逸だった番組だけに、残念極まり…

『OCTAHEDRON』/THE MARS VOLTA 『八面体』/ザ・マーズ・ヴォルタ

◆変化球としてのスローボールこれは魔球か絶好球か!? ザ・マーズ・ヴォルタ『八面体』の静寂がもたらす計画的混沌大いなる期待を胸に、プレーヤーにCDをセットする。キュルキュルと読み込まれ曲がはじまるまでの刹那、意味深なジャケットに目を落とす。いつ…

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