泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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プログレ食わず嫌いの眠れる狂気を目覚めさせ、整えるための厳選10曲

選曲テーマは、「狂気と整合性の両立、あるいはせめぎ合い」。

ジャンル的にはプログレ外のものも含む。

聴けば世界観の広がる10曲。


【Song/ARTIST/ALBUM/Time】

①「No Opportunity Necessary, No Experience Needed」/YES/『TIME AND A WORD』/4:50

映画音楽を大胆に引用したサントラ的スケール感と、思いがけず黒くうねるグルーヴ感の両立。全盛期のプログレは意外とグルーヴへの憧れが強い。

カヴァー曲だが仕上がりは完全にYESそのもの、あるいはYES以上にYES。


②「21st Century Schizoid Man (Including Mirrors)」/KING CRIMSON/『IN THE COURT OF THE CRIMSON KING』/7:22

イントロのリフはバラエティ番組でも頻繁に使われるほどに有名だが、1曲通して聴くと印象が大幅に変わる。(動画は残念ながら前半部分のみ…)

めくるめく展開と加減速の妙。

クリムゾン・キングの宮殿

クリムゾン・キングの宮殿


③「Dry County」/BON JOVI/『KEEP THE FAITH』/9:52

解散寸前に追い込まれ、グランジ・ムーヴメントに影響を受けた結果、重々しく生まれ変わったBON JOVIプログレ長尺曲。

もちろんプログレ・バンドではないが、彼らのソングライティングの実力を思い知らされる、まったく隙のない10分。

Keep the Faith [Special Edition]

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④「Carry On Wayward Son」/KANSAS/『LEFTOVERTURE』/5:23

典型的なロック的ギター・リフとよろしく哀愁100%の歌メロ。

外交的と思いきや内向的という「ねじれ」はプログレの真骨頂。

LEFTOVERTURE

LEFTOVERTURE


⑤「Mirrors Of Yesterday」/KAIPA/『NOTES FROM THE PAST』/6:17

プログレから美旋律のみを抽出したような北欧プログレの極み。

思い浮かぶのは妖精の森。

Notes From The Past

Notes From The Past


⑥「Close To The Fire」/KAYAK/『CLOSE TO THE FIRE』/8:12

同じく、妖精たちのスキップが見える。

プログレにポップを持ち込む、北欧ならではの感性。

クロース・トゥ・ザ・ファイアー

クロース・トゥ・ザ・ファイアー


⑦「Silent Winter」/CAIRO/『CAIRO』/8:29

メロディと音像は極寒だが、バンド名は砂漠気候の地であり国籍はアメリカ。

幻想的なキーボードの音色と浮遊感のあるギターが際立つ。

Cairo

Cairo


⑧「Soliloquy - The Loneliest Place In The World」/TEN/『TEN』/10:30

タイトル通りの圧倒的絶望と長時間向きあうことになるバラード。ギターも歌メロも、やり過ぎと思えるほどに容赦なく哀しい。

ハード・ロック・バンドだが哀愁が絶望にまで突き抜ける様はプログレ的であり英国ならでは。

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⑨「Knights Of Cydonia」/MUSE/『BLACK HOLES AND REVELATIONS』/6:07

壮大な映画音楽のパロディ、のようでありながらも、プログレッシヴ・ロックとしての完成度は高い。

本来縁遠いと思われた、UKロックとプログレの邂逅。

Black Holes & Revelations

Black Holes & Revelations


⑩「Starless」/KING CRIMSON/『RED』/12:21

狂気と整合性は思いのほか近いところにある、あるいは、整合性とは狂気を並べた先にある偶然の結果に過ぎないのではないかと感じさせる、この世のすべてを表現した1曲。

緩急、強弱、穏便さと凶暴性など、あらゆる対立項が共存する世界。結果、美しさが残る。

それにしてもこのライヴ動画、ドラム3台編成の視覚的インパクトが凄い。途中までだいぶ暇そう。

レッド~40周年記念エディション

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tmykinoue.hatenablog.com

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