泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

     〈当ブログは一部アフィリエイト広告を利用しています〉

EURO2024日記~1日目~

このあいだふと思い返してみたところ、過去に考えたり思ったことについて、自分がロクに憶えていないことに気づいた。つまり思い返そうにも思い返せず、確認するためにこのブログを読み返したりする始末。しかも読み返そうとしてみたところで、そんなに逐一書いているはずもない。

もちろん読み返すほど価値のあることばかり常に考えているわけではないし、別に価値のあることを読み返したいと思っているわけでもない。しかしその時点で自分が何を考えていたのかということには、少なからず興味はある。そしていざ読み返してみると、そこには思いもよらない言葉が並んでいることが多い。まるで別人が書いたような。

というわけで、とりあえず思ったことは忘れないうちに書き留めてみようと考えた。もしかするとそれを世の中では日記というのではないか。考えただけではまた忘れてしまうので、まずはそう考えたということをわざわざこうして書いてみている。これで少なくとも、書こうと考えたということだけは思い返すことができるだろう。

しかし考えていることも書くべきことも、生きている限りいくらでもあるといえばあるのだが、ないと言えばない。ならば単なる思いつきということで、いま興味のあることを書くしかないだろう。

という自分で勝手に作った流れがあるところに、ちょうどW杯より面白くなるはずのEUROがはじまったので、その観戦記録を今日から日記のように書いてみたいと思う。これまでサッカーについてさほど書いてきたブログでもなく、ついてきてくれる人が多いとは思えないが、気軽な備忘録のようなものとしての役割がメインになる。ほとんど推敲はしないつもりだ。と言いながら少しくらいはするだろう。

まずは大会初戦の開催国ドイツ対スコットランド戦。

大会直前にこちらの動画を観て、軽く予習をしたつもりになれた。普段はアーセナルの試合しかほぼ観ていないので、ヨーロッパ全体の戦術、および選手の流行について把握する役に立った。

www.youtube.com

ここでフロリアン・ヴィルツという選手に興味を持った。そういえばだらだらと続けているスマホゲームでも、近ごろよく見かける名前ではあった。10人兄弟の末っ子らしい21歳。

開幕のゴールがそのヴィルツだったので個人的には盛り上がる。にわかで注目したばかりのくせに。脇から入ってきたボールに、見事に体を開いてのシュート。そのキックのフォームがアーセナルのトロサールを思わせる。そういえばこの試合の主審も以前観たことのあるトロサール顔の主審だった。おとなしい悪魔面。かなり良い審判との印象。

続くドイツの2点目は前回W杯で輝きを放っていたムシアラ。独特のリズムがあって、本当にボールを奪いにくそうな選手だ。こういう選手は代えが利かない。若手二人がいきなり躍動するという、ドイツにとっては理想的な開幕。

3点目はPKだがアーセナルのハヴァーツ。PK自体よりも全体に動き出しの良さが際立っていた。序盤苦労したアーセナルで終盤結果を出したことが自信につながっているように見える。

彼は同じく元ドイツ代表兼元アーセナルエジルのような体型をしているので、ついパサーとしての役割を期待してしまうが、どちらかというと出し手というよりは受け手としての能力が高い選手。その傾向がシーズン後半になってようやく所属チームでも明確になってきて、特にトップで器用されるようになってから結果を出すようになった。

見た目の印象というのはやはり案外大きくて、たとえば日本代表の鎌田のように涼しい顔をした選手は守備をサボッているように思われがちだが、データを見てみると実はチームで一番長い距離を走っていた、なんてことも良くある。

結果は5-1というドイツの順当すぎる勝利で、スコットランドにはほとんどノーチャンスだった。スコットランドといえばアーセナルからレンタルに出されっぱなしのティアニーだが、彼とキャプテンのロバートソンは走りかたやボールを持つ姿勢が本当に似ていると改めて思った。

代表で一時期は同じ左サイドバックのポジションを競っていたはずだが、ティアニーを3バックの左に置くことで二人を共存させる布陣は初めて観た。そうなると遠目にはそっくりな二人が隣に並ぶ状態になり、どっちがどっちだかわからなくなる場面も。

ティアニーがもしリヴァプールに行っていたらロバートソンくらい成功したのかも、とも思ったが、やはりあれだけ怪我が多いとロバートソンにはなれない気がする。ましてやあれだけ運動量の多いクロップのスタイルのもとでは。

ドイツは開催国代表として素晴らしい出足ではあるが、中盤からうしろに思いのほかベテランが多いのが良いのか悪いのか。バランスが取れているとも言えるし、一般に若手は前のほうからブレイクしがちではあるのだが、あまりワクワク感がないようにも感じる。そのぶん、ヴィルツとムシアラが輝く大会になる予感もあるが。

このあと、22時からのハンガリー対スイスを観るべきかどうか迷う。いちおうスイスには元アーセナルのジャカがいるのでとりあえず冒頭を観て、よほど盛り上がらなければそこから観なくなるとは思う。

注目はもちろん、そのあと1時からのスペイン対クロアチアのほう。明日は主としてこの試合について書くことになると思う。

Copyright © 2008 泣きながら一気に書きました All Rights Reserved.