泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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近況忘却中

気づけば四ヶ月もこのブログを放置していた。なのでとりあえずなにかしら書いておこうというくらいの気持ちでいまこれを書きはじめている。その間ずっとほかのものを書いたり直したりし続けてきたわけだが、そちらはこの先どうなるのかわからない。そうなると目に見えるここに何かを書いておかないと、周囲からは存在が見えないのだとふと思った。別にそれでも特に問題はないのかもしれないし、ここにこれまで書いてきたことにも、ことさら存在を感じさせる要素などもともとないような気もする。とはいえ、Twitter改めXとかではさすがに味気なさすぎるのもたしか。

とりあえず本も音楽もラジオもドラマもスポーツも、それなりに見聴きしている。一番最近ハマッたのはアマゾンプライムの『FARGO/ファーゴ』だろうか。コーエン兄弟の映画版をモチーフにした(?)ドラマ版。シーズン1がとにかく絶望的に素晴らしく、シーズン2は入りの雰囲気こそ期待とは違ったが尻上がりに良くなっていき、終わってみればシーズン1に迫るクオリティだと思えた。シーズン3はシーズン2以上に立ち上がりが悪く、やはり後半盛り上がっていく感じはあるものの、やはり1、2ほどではなく終わった。

どうもこのシリーズには「ファーゴ律」とも言うべき独自の因果律(容赦なき因果応報の徹底)があって、それはコーエン兄弟の映画全般にも通じるものかもしれないが、映画のほうはだいぶ前に観たものばかりなのでほとんど憶えていない。『未来は今』とか『ビッグ・リボウスキ』とか、かなり良かったような気がするが、内容は何も記憶にない。それはつまらないという意味では全然なくて、単純に憶えていないというだけなのだが。

そして肝心の映画版『ファーゴ』は、なぜかたぶん観ていないような気がする。その前後のリリース作は観ているのに、なんでこれだけ観ていないのかはわからない。当時のことだから、たまたまそのときレンタル屋で貸し出し中だっただけかもしれない。

いまあまり期待せずに、現時点における最新作のシーズン4を見はじめているのだが、やはり立ち上がりは悪いと感じる。あるいはこの立ち上がりの悪さもまたこの作品に必須の要素であって、これがないと後半の上昇曲線もあり得ないのかもしれないとも思ったりはするが、少なくとも何もわからぬまま見はじめたシーズン1を序盤で挫折しなかったということは、1の立ち上がりはそこまで悪くなかったはずだ。とはいえ、これもシーズン4まで来るとあまり憶えていないのであてにはならない。

つまり人間は忘れる動物だということだが、これは特に最近忘れっぽいという心配な話でもどうやらない。昔からすぐに片っぱしから忘れてしまうし、逆にどうでもいいことはずっと憶えていたりもする。忘れるとあとで面倒なので、こうして感想でも書き留めておけばあとで思い出しやすいかなという狙いも少なからずあるのだが、ご覧のとおりこの時点でもうかなり忘れているのであまり意味はない。

ならばいま一度観直せばいいのだが、ただ事実確認のために観るものほどつまらないものもない。だからこういうのは、なにかしら印象だけでも残っていればそれで良しということにするしかない。人生における思い出の類も、そんなものかもしれない。どんなに写真を大量に撮ってみたところで、おそらくは無駄な抵抗に過ぎない。

ほかにもいろいろなことについて書こうと思っていたし、書いているうちに書くべきことをいくつも思い出してきたが、そもそも書く「べき」というほどに必然性のあることなどないということも同時に思い出してきたので、今日はここらへんで握ってもいない筆を擱くことにする。



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