まずはルーマニア対オランダ。
オランダはクーマンの采配こそイマイチ信用できないながらも、この試合に関しては終始ゲームを支配できていた。
それにしてもガクポの決定力は素晴らしい。左サイドでの彼は翼を広げて生き生きとプレーしているように見える。
オランダの攻撃に関しては、これまでマレンがどこか浮いているような気がしていたが、この試合ではむしろシャビ・シモンズのほうが周囲とズレている感じで、マレンのほうがチームにフィットしているように見えた。
あと中盤のスハウテンの上手さには驚いた。寄せられても簡単にはボールを失わず、瞬時の判断で全方位に気の利いたパスを配球できる選手。後半まだ1点差の段階であっさり彼をベンチに下げてしまったのは、まったく理解できないクーマンの謎采配であった。
対するルーマニアは、どうやってここまで勝ち上がってきたのかと不思議に感じてしまった。正直オランダが良いというよりは、ルーマニアのレベルが足りていないというだけのような気もしないでもない。これまではかなりミドルシュートを決めている印象があったが、それも火を噴かず。となるとここでの敗戦は妥当な結果だろう。
オーストリア対トルコは、オーストリアの激しいプレッシングによって、非常にインテンシティの高い好ゲームに。
それを逆手に取ったトルコがしてやったりという感じだが、チームの中心であるチャルハノールを出場停止で欠く中、ここまでやれるとは正直思わなかった。彼がいないぶんだけ、アルダ・ギュレルの技術がむしろより際立ったような。
これでベスト16の戦いも終わり、残るは8チーム。
次なる戦いは、
ドイツ対スペイン
フランス対ポルトガル
スイス対イングランド
オランダ対トルコ
とこう見ると、やはり残るべきところが残っているようにも見えるが、ほかにここにいるべきだった国は、やはり前回優勝者のイタリアと、タレントをまとめきれなかったベルギーか。
メンバー的にはトルコとスイスがやや落ちるようにも思えるが、特にスイスは対戦相手のイングランドとは対照的にチームがジャカを中心に良くまとまっており、イングランドが食われてもおかしくはない。
タレントがいるうえにチームとしての仕上がりも良いドイツとスペインがこの段階で当たるのはもったいなく、終わってみればこれが「事実上の決勝戦」と呼ばれることになるかもしれない。ここからは対戦相手との相性の問題も大きくなってくるだろう。
次の試合は2日空いて金曜の夜。
いよいよ大会の終焉が近づいている寂しさを感じながら、そろそろ移籍市場の動きも気になりつつ。