泣きながら一気に書きました

妄言コラムと気儘批評と悪戯短篇小説の巣窟

『LOUD PARK 09』 10/18(日) ライヴレポート

よく考えてみたら午前中は特に観たいバンドもなかったので遅参し、HIBRIAから参戦。しかも帝王を拝まずして予想どおりの早退劇。

【 】内は満足度(ABCDEの5段階)。

●HIBRIA 【B】
とにかくVoのユーリ・サンソンに尽きる。まず何よりも顔が小島よしおに似ている。以前金子達仁が、レアル・マドリーのブラジル代表DFペペを「よしお」呼ばわりしていたことを考えあわせると、どうやらよしおはブラジル系の顔面らしい。
大事なのはそんなことではない。
ブラジル出身のバンドということで、ライヴ経験の少なさとそれに伴う実力不足を危惧していたのだが、そんなことよりVoのハイトーンの出方がアルバム同様に素晴らしく、完全によしおのひとり舞台。
逆に言えばバックの楽器陣が地味で特に工夫が感じられず、そこはやはり田舎臭い雰囲気。ツイン・リードにもう少し派手さがあれば良いのだが、特に個性は感じられず物足りなさが残る。リズム面も、ブラジルのバンドにしては工夫がない印象。
とにかくVoの実力がバンド内で頭ひとつふたつ抜けており、このままだと「Voを大物ギタリストに引き抜かれてバンド消滅」というストーリーが咄嗟に思い浮かぶが、バンドの作曲能力には確かなものがあるので、ぜひこのまま頑張ってほしい。
しかしここに派手なギタリストが一枚加われば、バンドがもう一段階グレードアップするのも間違いがない。

ROYAL HUNT 【D】
マーク・ボールズ(Vo)を含めたラインナップに期待するも、原曲に対するリスペクトの感じられぬ勝手な歌メロアレンジがすべてを台無しに。相変わらず歌は抜群に上手いのだが、やはり彼には歌メロのセンスがない。アンドレ・アンダーセンも彼に対しては、イングヴェイのように歌メロのアレンジを許さぬ姿勢を断固取ったほうが良いと思うが、立場上は先輩格のマークのほうが上なのだろうか。
それに加え、D.C.クーパー時代の名曲群に関しては、D.C.特有の低音部分がマークには低すぎて出ないようで、まったく歌いこなせていなかった。それにより、改めてD.C.のヴォーカルの驚異的な振れ幅と特殊性が浮き彫りになり、やはりこのバンドには彼が適任なのだと再確認させられた。
ちなみにここへ来て初めて、隔離されたSANCTUARY STAGEを味わったのだが、これがメイン二つのステージに比べてかなり音が明瞭で驚いた。それでももちろん良いというほど良くはないのだが、充分に音を楽しめる範囲内であったように思う。塀に囲まれた環境が上手く作用していたのかもしれない。

GOTTHARD 【B】
まったく隙のない抜群の安定感で、やはりスティーヴ・リーの歌が本当に素晴らしい。彼の真にプロフェッショナルな歌唱を聴いていると、もうまともに原曲のメロディを歌えない大物バンドたちをありがたがるのはそろそろやめようよと、声を大にして言いたくなる。完璧なお手本である。

しかし逆に言えば、彼らの圧倒的安定感は面白味のなさにも通じていて、堅実な楽曲の連続に聴いていて飽きが来てしまう部分もあった。彼らの楽曲とライヴ・パフォーマンスの高値安定ぶりを前にそんなことを言うのは贅沢にもほどがあるのはわかっているのだが、実際に途中ですでに満腹し飽きを感じてしまっている自分がいた。

FAIR WARNING 【A】
まず“Angels Of Heaven”〜“Save Me”という、アルバム『GO!』の冒頭二連発から始まったことに驚いた。この2曲は彼らの作品の中でも最も完璧な入口として機能する流れだと思っていたので、これ以上ないスタートだったと思う。新作発売直後にもかかわらず、再結成前の作品冒頭をオープニングに持ってきたというのは、ある意味英断と言ってもいいだろう。
バラード系中心の新作から演奏されたのは数少ない疾走曲“Here Comes The Heartache”1曲のみで、選曲はかなり良かったように思う。相変わらず脳天気なだけの“Get A Little Closer”は不要だが、バリエーション的に欲しいという気持ちもわかる。
トミー・ハート(Vo)の泥棒髭はどうかと思うが声はかなり出ており、非常によく通っていた。サビを観客に任せる癖がどんどんエスカレートしてきているのは勘弁してほしいが、フェスだからそうしたのかどうか。
そしてとにもかくにも目立っていたのはヘルゲのスカイギターで、そこだけやたらに音量が大きく、全体のバランスを完全にぶっちぎるレベルで縦横無尽にやっていた。普通に考えればそれは非常にギクシャクした感触を残すものだが、彼の紡ぎ出すフレーズはそれどころではなく素晴らしく、その旋律美にはただただ圧倒されるのみ。
さらにはルックス的にも、風を浴びて金髪をなびかせるウレ・リトゲン(B)にはウリ・ロート譲りの仙人的風格が備わっていたし、ヘルゲのバンダナ&スカイギターはもちろんロート兄弟直系の威厳を感じさせる。さらには何を思ったかエンジのベレー帽をかぶって叩くC.C.ベーレンス(Dr)にまで芸術の香りが!? ドラマーでベレー帽というのはもしかしたら世界初では? トミーの髭とヘルプ・ギタリストのヘニー・ウォルターの借りてきた猫状態はいまいちだったが、バンド全体を見渡したときの格調の高さはもはや尋常ではない。
しかし何と言っても抜群に楽曲が良い。それに尽きると言えば尽きる。


〜その後、CHILDREN OF BODOMの頭2曲がメロディに欠けたここ2作からのもので退屈だったため、諦めて家路に。SLAYERは毎度あまり変わらないはずなので未練はなく。

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