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「ヘヴィ・メタル・アルバムのベスト・オープニング・ナンバー 10選」に乗っかってみる

こんな記事があったので乗っかって選んでみようと思う。記事内のものだと明らかにCHILDREN OF BODOMあたりは「絶対その曲じゃないだろ」感が強いが、アメリカでは初期の叙情性はむしろ邪魔なのかもしれない。

【「ヘヴィ・メタル・アルバムのベスト・オープニング・ナンバー 10選」を米ギター誌Guitar Worldが発表】
http://amass.jp/55346/

しかしいざ選ぶとなると、やはり基準の設けかたが難しい。

まず第一に、対象を「厳密な1曲目」に限定するかどうか。たとえばHELLOWEENの「Eagle Fyl Free」やKAMELOTの「Forever」あたりは真っ先に選びたいところだが、いずれも前振り曲が付随するため2曲目扱いになっている。なのでここは、表題の「オープニング・ナンバー」という幕開け的意味あいにこだわって、厳密な1曲目に限定することにした。

そして第二に、単にいい曲、好きな曲を選べば良いのかという点。ここもやはり「オープニング・ナンバー」という部分にこだわって、なるべくイントロからインパクトのある曲、アガる曲を選ぶことにした。本当はDREAM THEATERの「Pull Me Under」なんかも入れたかったが、頭からガツンと来るタイプでもなく、オープニング・ナンバーというよりはあれ1曲で1枚のアルバムの如くすべてが完成しているように感じるため、今回は除外した。

ちなみに、つけた番号は好きな順でもオープニングにふさわしい順でもないが、なんとなく曲順は定番とそうでないものを織り交ぜて考えた。とはいえ、今日はたまたまこれらの曲を選んだというだけで、気分次第では全然別のチョイスもあり得るなと感じつつ。

1.「Beast And The Harlot」/AVENGED SEVENFOLD
とにかく「幕開け感」という点にこだわると、個人的には真っ先にこの曲を思い浮かべる。いきなりフライパンをガンガン鳴らして叩き起こされるような強制的幕開けから、疾走感のあるツーバスとギター・リフになだれ込む展開は、まさにオープニング・ナンバーにふさわしい。

2.「Punish My Heaven」/DARK TRANQUILLITY
トリッキーな高速ギター・リフのインパクト。美と破壊を共存させたメロディック・デス・メタルを象徴する1曲。

3.「Bitter Peace」/SLAYER
引きずるような重さから、一瞬の静けさを経て猛烈な速さへと切り替わる瞬間の興奮。登りから急降下へとスイッチするジェットコースター的展開の妙。

4.「Thundersteel」/RIOT
精緻な単音リフが紡ぎだす圧倒的スピード感と、文字通りメタリックな音像。そしてつんざくような行き過ぎたハイトーン・ヴォイス。この過剰性こそが、ヘヴィ・メタルの美学。

5.「Under A Mourning Star」/CONCEPTION
シアトリカルなオープニングSEは、まるで火曜サスペンス劇場のような血みどろの惨劇を予感させるが、その後のリズミカルなギター・リフの刻みは、むしろトライバルな祝祭的グルーヴを生み出している。KAMELOT加入以前のロイ・カーンの歌唱も、すでにこの時点で完成の域にあり、アルバムのクオリティでは1st2ndには劣るものの、楽曲としてはKAMELOTの傑作群にも劣らぬ名曲。

6.「Street Fighting Saviours」/SPIRITUAL BEGGARS
迫り来るサイレンの注意喚起力と、それを掻き消すような野太いギター・リフの衝突。「圧」で押し切るように見せながらも、所々繰り出される小技の利いたアレンジが憎い。

7.「Perry Mason」/OZZY OSBOURNE
大仰かつミステリアスなキーボードのイントロに、ザック・ワイルドの重心の低いギター・リフが絡み、さらにオジーのポップな声が乗る。客観的に見れば異質なトッピングだが、そんな異物間の衝突が引き起こす化学反応こそがヘヴィ・メタルの醍醐味であると改めて感じさせる。

8.「Welcome To The Jungle」/GUNS N' ROSES
ディレイのかかったこのギター・リフ一発で新時代の幕開けを感じさせる。そして実際にそうなったという圧倒的事実。

9.「No Opportunity Necessary,No Experience Needed」/YES
「メタルではない」と言ってしまえばその通りだが、この曲のイントロが持つ圧倒的スケール感は、まさしく多くのメタル・ファンが求めているものに違いない。自在に動き回ることで主役の座を奪いにかかるベース・ラインも聴きどころ。

10.「Painkiller」/JUDAS PRIEST
やはりこの曲はどうしても外せない。若手ドラマーの加入を、重要なアルバムのイントロを任せることによって世間に大々的にアピールするという粋なはからいが、そのまま名曲を生み出したという奇跡。まさにメタルの登竜門であり試金石。

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