『1Q84』/村上春樹

ファンタジーにしては現実的すぎ、ミステリーにしては現実味が足りない。純文学にしては物語的すぎ、エンターテインメント小説にしては文体がまどろっこしい。社会派小説にしては軽すぎ、ユーモア小説にしては重すぎる。あらゆる意味で中間的な小説である。そもそも村上春樹とは、中間的な存在である。だからこそ売れたと…