先日スーパーでラー油を買おうと思い、久々にラー油売り場を覗いてみたところ、かつてその画期的なネーミングセンスで一大ブームを巻き起こしたあれと目が合った。
懐かしかった。目頭が熱くなった。熱くなりそうで熱くならない少し熱くなった目頭。実際にはその程度だった。エガそうでエガくない少しエガい江頭。それくらい江頭でもあった。時計の針は2時50分を指していた。さっきから響きだけでいったい何を言っているのか。
まるで「あの人は今」的な番組で数十年ぶりに再会したような気分になったが、それは今も棚の主要な場所に並んでいた。ということはむしろ、すっかり定番商品として定着したということなのだろう。
ますます拙速を極める世の中、流行はその後の忘却と必ずやセットであると思いがちだが、中にはこうして着実に生き残っている商品もある。それはもちろん商品の実力=味の力でもあるだろうが、やはりこの独特の文体を持つネーミングが残したインパクトのお蔭でもあるだろう。
ならばここは、その文体の力にあやかってみるべきなのではないか。ほう、なんと時代遅れな。しかもそれにあやかってみたところで、誰にもなんの得もありはしない。
ただ久しぶりにこの文体に触れたせいで、なんとなくこの感じでいろいろと言ってみたくなっているだけですよ正直。それとしがない駄洒落の記事タイトルを思いついたもので。
というわけで、強制的にスタート。つまり単なるネタの羅列。面白そうで面白くない少し面白いくらいで御の字というこの按配。そして突然終わります。
『辛そうで辛くない少し辛い仕事』
→つまり仕事。
『重そうで重くない少し思い文鎮』
→半紙は飛ばないがズレて全文字斜め。
『消えそうで消えない少し消えるキン消し』
→本当は1ミリも消えずむしろ汚れがのびるだけ。
『甘そうで甘くない少し甘い尿』
→要再検査。
『飲めそうで飲めない少し飲める毒』
→酒? 醤油も飲み過ぎると死ぬ。
『焼けてそうで焼けてない少し焼けてる松崎』
→偽メモリー。
『鳴きそうで鳴かない少し鳴くホトトギス』
→信長・秀吉・家康、三英傑とも何もできぬまま乱世終了。
『穿いてそうで穿いてない少し穿いてる安村』
→安心ならず。
『悪そうで悪くない少し悪い奴はだいたい友達なZeebra』
→コンプラ遵守。
『会いたそうで会いたくない少し会いたくて震えてそうで震えてない少し震えてる西野カナ』
→トリセツの「故障かな?と思ったら」のページを確認したところ、これは故障ではなく仕様とのこと。
- アーティスト:Red
- 発売日: 2007/11/13
- メディア: CD