ようやくNICKELBACKの来日公演が決定したらしい。
http://www.barks.jp/news/?id=1000052971
しかし話題性に乏しいタイミング、STUDIO COASTという箱の規模と立地、そして何よりも日本での彼らの人気度を考えあわせると、8500円+ドリンク代という価格設定は、正直「高い」と言わざるを得ない。
すべては彼らの北アメリカ大陸での驚異的売上に対する、日本における認知度の低さが原因だろう。その高額なギャラに見合う人気を、ここ日本では獲得できていないということだ。あるいは単純にアメリカ・カナダでの売上実績から考えれば、これでもチケット代は抑えられているほうかもしれない。彼らクラスのバンドが今さらこの規模で来日公演を行っても、アルバムの売上増には繋がらないだろう。
だとすると、むしろどんな条件であれ呼んでくれたプロモーターに感謝すべきかもしれない。利益度外視で「呼びたい、呼ぶべきだ」という使命感がそうさせたと考えることもできる。
あるいは、この規模でも来てくれるNICKELBACK本体にこそ感謝すべきかもしれない。アメリカでの実績を考えれば、それこそBON JOVIやMETALLICAクラスの全国規模で迎え入れるべきバンドであるはずなのだから。
ヘヴィ・ロック勢のトップ・バンドがこれでは、SHINEDOWNの来日など夢のまた夢である。DAUGHTRYでさえ厳しいかもしれない。ヘヴィ・ロックというメイン・ストリームのひとつであるジャンルが日本で丸ごと過小評価されていることに、改めて危機感を感じざるを得ない。
音楽的方向性としては、大雑把に言えばまさに前述のBON JOVIとMETALLICAの中間に位置するにもかかわらず、これがヘヴィ・ロック勢の日本における現状なのである。それはもの凄く不自然なことにも思えるが、一方ではまたよくあることでもある。中間的なジャンルは、極端なものに比べ見逃されやすい。
だがやっぱり良いものは売れてほしいし、そういう世の中がいい。個人的にはNICKELBACKよりはSHINEDOWNを押すが、両者ともにクオリティの高いバンドであることは間違いない。
しかしやはりこのチケットの値段設定は、リスナーに厳しい現実を突きつけるとともに、大きな壁として立ちはだかることだろう。あるいはこれは、「それでも彼らを好きか?」という一種の踏み絵なのかもしれない。