泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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【歌詞】「アバウト・ソング」

確かにあいつは言った
あれをもっとこうしたほうがいいって
だけど俺は言ってやったんだ
あれはあれとしてあのままにしておいて
それはそれで別物としてやったほうがいいって

そのとき並木道にはすごくいい感じの花が咲いていて
どこからともなく可愛らしい動物の鳴き声が
その花はどことなく何番目かに好きになったあの娘を思わせなくもなくて
鳴き声はどうやらどこかの動物園で聞きおぼえがある

花の種類なんて興味ないから知らない
動物にも興味ないから鳴き声じゃわかんない

あれがこうなったから何がどうなるわけじゃなし
これがああなったとて何が良くなるわけじゃなし

確かにあいつは微笑んだ
あれがこんな風に面白かったって
だけど俺はクスリともしないでやったんだ
それはそれとしてそんなことよりも
何かしら腹の足しになるものを食いに行かないかって

そのとき遠い空には何とも言えない感じの何かが浮かんでいて
どこを見渡しても布の服を身につけた誰か
空の物はなんとなく好きでも嫌いでもない食べ物に似ていなくもなくて
布の人は全員が全員もれなく誰かに似ている

はるか頭上になんて興味ないから知らない
過ぎゆく人に興味ないから知り合いでも知らない

あれがこうだったら何がどうなったわけじゃなし
これがああだったとて何が良くなったわけじゃなし

本当に大事なこと以外はだいたいでいい
本当に大事なこと以外はだいたいでいい
とりあえず
そういうことにしておいてくれないか
いやむしろ
そういうことにしておこうじゃないか諸君

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