泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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音楽レビュー(ROCK)

日村、蛍ちゃん、山ちゃん、徹子

というマッシュルーミングな4人組によるBOXセット。『ザ・ビートルズ・ボックス』 『ザ・ビートルズ・モノ・ボックス』 ↓詳細情報はこちら http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=25145買っておくべきか買わざるべきか…。どうせ買うならこの機会…

『BLACK CLOUDS & SILVER LININGS』/DREAM THEATER 『ブラック・クラウズ&シルヴァー・ライニングス』/ドリーム・シアター

何度聴いても全体像を把握することが困難で、だからこそ何度も聴き続けてしまう中毒性を持つのはいつもの通り。それはプログレッシヴ・ロックの魅力でもあり、とっつきにくさでもあるだろう。近作において彼らは、「音像のヘヴィさ」という明確な入口を設け…

『LIFE IN-BETWEEN』/ROYAL BLISS 『ライフ・イン-ビトウィーン』/ロイヤル・ブリス

現代アメリカン・ロックの王道は、同時期に日本発売された懐古集団CHICKENFOOTよりも、むしろこちらだろう。NICKELBACK、SHINEDOWN、3 DOORS DOWNをはじめ、アメリカで売れているヘヴィ・ロックど真ん中に位置する音楽性には、日本デビューとなる本作におい…

複雑音楽の宴

DREAM THEATERの新作『BLACK CLOUDS & SILVER LININGS』が、なんと全米ビルボード初登場6位!http://www.billboard.com/bbcom/charts/chart_display.jsp?g=Albums&f=The+Billboard+200ちなみにMARS VOLTAの新作は初登場12位。こちらは前作が初登場3位だった…

『DIZZY MIZZ LIZZY』/DIZZY MIZZ LIZZY 『ディジー・ミズ・リジー』/ディジー・ミズ・リジー

どうあがいたところで、グランジの台頭がロックシーン全体に与えた影響は大きかった。時を経た今となってみれば、グランジを通過したからこそ生まれ得たと言える良質なヘヴィ・ロック(たとえばNICKELBACKやSHINEDOWNのような)の登場が、かのムーヴメントへ…

『END OF DAYS』/V.A 『エンド・オブ・デイズ』サウンドトラック

何しろ前作から17年もの時が経過しているのだから、出る出ると言いながらいっこうに出ない「出る出る詐欺」の末ついに登場した新作を解き明かす鍵はどこにでも無数に転がっているような気になるのだが、実のところ証拠と呼べるほど確証の高い材料は非常に少…

『CHINESE DEMOCRACY』/GUNS N' ROSES 『チャイニーズ・デモクラシー』/ガンズ・アンド・ローゼズ

アルバム発売以来、文章にまとめようと思い色々と書きとめてはいたのだが、その成り立ちからして全体像を捉えにくく作られた作品であるからまとめようもない。そもそも、毎度レビューを書く際にまとめようという意識は微塵もなく、考え迷うことをより重視し…

『WHO ARE YOU?』/NICO TOUCHES THE WALLS

デビュー作には持てるすべてを注ぎ込むべきだというのは、ジャンルを問わずすっかり定説だが、その結果として散漫な結果を招くこともまた覚悟しなければならない。とにかくバラエティに富んでいる。音楽性にしろ歌詞にしろ。とてもVo.が一人で作詞作曲を手掛…

『君は人のために死ねるか』/杉良太郎

杉さまの流し目をナメてはいけない。それは単におひねり片手の女性ファンを虜にするだけの小道具などでは断じてない。それは相手を傷つける武器ではなく、鋭くはあるが常に圧倒的やさしさを内包する。「君は人のために死ねるか」とは、あまりにまっすぐで鋭…

『ENTER THE CHICKEN』/BUCKETHEAD & FRIENDS

変態の理解者は変態だけなのか? GUNS N' ROSESに在籍していたことで有名なバカテク覆面ギタリストのバケットヘッドが、あまりいなそうなお友達を集めて制作したプロジェクト作。ガンズにおいても、そのバンド・サウンドへのあまりの馴染まなさが逆に頼もし…

愛する人の名を叫ぶことから歌は生まれた(かどうかなんて知らないよぜったい)

キャサリン! アンジェラ! エイドリアン! ウーピー!思いつく限り外国人女性名を叫んでみる。 このさい誰でもいい。 知らない誰かの名前を叫べばそれでいい。 だが景子や朱美では駄目だ。 カタカナでなくっちゃいけない。 知らなければ知らないほどいい。 …

『INNOCENCE & INSTINCT』/RED 『イノセンス&インスティンクト』/レッド

現代アメリカン・ヘヴィ・ロックを語るうえで、中心に据え置くべきバンドはLINKIN PARKである。最近では珍しくもない、本作のように良質なメロディを軸に置いたヘヴィ・ロックを聴くと、改めてそれを痛感する。LINKIN PARKがいなければ、ヘヴィな音楽を志す…

『LONELY ROAD』/THE RED JUMPSUIT APPARATUS 『ロンリー・ロード』/ザ・レッド・ジャンプスーツ・アパラタス

いかにも面倒なバンド名に相応しい、ひと筋縄ではゆかぬ2作目となった。アルバムに先駆けて公開されていた「らしくなさ」全開のL.A.メタル曲“You Better Pray”を冒頭に配する曲順は、明らかに聴き手の混乱を狙っていて意地が悪い。ここで「すわ、HINDER路線…

『LOW RIDER』/NO FUN AT ALL 『ロー・ライダー』/ノー・ファン・アット・オール

完全に期待通りの方向性で来た復帰作。まったくブレがなくメロコア一直線の潔さ。外枠は完璧だ。しかし肝心のメロディが弱い。どうにも扇情力が足りない。再結成前の作『STATE OF FLOW』におけるスピード・ダウンが、まさにバンド自体の失速を体現するかのご…

『FOR(N)EVER』/HOOBASTANK 『フォーネヴァー』/フーバスタンク

意識的なスピード・ダウンを試みた前作を経ての新作だけに、不安は大きかった。彼らを他の米国ヘヴィ・ロック勢と差別化してきた大きな「売り」は、主に「爽快感」「躍動感」「伸びやかな歌唱」の三つの長所であると思う。それをもっとも表現していたのが、“…

『EVERYDAY DEMONS』/THE ANSWER 『エヴリデイ・ディーモンズ』/ジ・アンサー

60〜70年代の、ブルーズを基盤に置いたブリティッシュ・ハード・ロックを正当に解釈した音楽は、まるで教科書のように、とりあえず全体像として非の打ち所がない。ファスト、ミドル、バラードとバランス良く配置された楽曲、力強くエモーショナルな歌唱、確…

『TAKE IT TO THE LIMIT』/HINDER 『テイク・イット・トゥ・ザ・リミット』/ヒンダー

徹頭徹尾、恥ずかしげもなくアメリカン・ドリームである。といっても開拓者的な夢ではなく、パツキン姉ちゃんと夜な夜なパーティー三昧のほうのアメリカである。ちなみにCDケースを開けると、棚ぼた的にプレイメイト系全裸写真の連なりがこぼれ落ちてくる。…

『THIS WAR IS OURS』/ESCAPE THE FATE 『ディス・ウォー・イズ・アワーズ』/エスケイプ・ザ・フェイト

ジャケットはAVENGED SEVENFOLD(以下A7X)の名盤3rd「CITY OF EVIL」を連想させるが、その期待に違わぬ出色の出来。こちらはEPITAPHレーベルから出ているだけあって、根底にパンク/メロコアテイストが香る。それが明確な個性となり、メロディの充実度につな…

『FOLIE A DEUX』/FALL OUT BOY 『フォリア・ドゥ-FOB狂想曲』/フォール・アウト・ボーイ

明らかに意識的なスピード・ダウンがはかられている。そこからは、パンク/エモのフィールドから卒業したいとの意志が見て取れる。だが彼らの生命線であるメロディは、やはり変わることなくエモ的なそれをキープしており、つまり根本的な魅力は失われてはい…

『DARK HORSE』/NICKELBACK 『ダーク・ホース』/ニッケルバック

完成度はすこぶる高い。楽曲は間違いなく過去最高の出来を誇り、全体として隙がない。だが隙のなさが面白味のなさと感じられるものも世の中にはたくさんあって、この作品もそれに当てはまるように思う。問題は「隙のなさ」自体ではないのかもしれない。むし…

『THE SOUND OF MADNESS』/SHINEDOWN 『ザ・サウンド・オブ・マッドネス』/シャインダウン

音楽の世界に限らずどのジャンルにおいても、とかく極端なものが持てはやされる傾向にあるが、では極端なものとは何か?一般にわれわれが「これは極端だなぁ」と思うのは、例えばSLAYERのように「ただ速い」とか、SLIPKNOTのように「見た目が派手」とか、チ…

『ALL HOPE IS GONE』/SLIPKNOT 『オール・ホープ・イズ・ゴーン』/スリップノット

後半に続くミドルテンポの楽曲を「進化」と捉えるか、「失速」と感じるか、その一点でこのアルバムの評価は決するだろう。 前半部は前作の流れを汲む順当な内容で、勿論2ndを最高傑作とする向きにはその時点で不満もあるだろうが、問題は⑥以降。単調なリフに…

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