泣きながら一気に書きました

妄言コラムと気儘批評と悪戯短篇小説の巣窟

曲名小説「ロマンスのゆくえ」

ありあまった「ロマンス」は、広瀬香美のところに持っていくと無料で引き取ってもらえるらしい。そうやってありあまった「ロマンス」を集めて練り込み陽のあたらない場所で数年寝かせると、熟成して「ロマンスの神様」になるという。

一方、「ロマンティック」が止まらなくなった場合、CCBのところへ行ってもけっして「ロマンティック」を止めてくれたりはしない。なぜならば「ロマンティックの神様」はこの世に存在しないからだ。「ロマンス」と「ロマンティック」は全然違うのだ。ボクシングでいうところの「WBA」と「WBC」くらい、もしくは「ベータ」と「VHS」くらい、あるいは「恋」と「愛」くらい違う。

だから「ロマンスの神様」がいて「ロマンティックの神様」がいなくても、なんら不思議はないのである。なんとなく似ているからといって、くれぐれもありあまった「ロマンス」をCCBのところへ持っていったりしないように。

そんなことをすれば、ただでさえ止まらなかった「ロマンティック」はいよいよ暴走し制御不能に。さらには「ロマンスの神様」を誘惑し自らの内部へと取り込むことで、悪の権化「ロマンティック大魔神」が誕生する。「ロマンティック大魔神」の「桃色吐息」が世界を覆いつくすことにより、いよいよ全人類のロマンティックが止まらなくなる。

「でも、ロマンティックが止まらなくなるなんて、なんだか素敵じゃない?」

そんな呑気な声もちらほら聞こえてきそうだが、圧倒的に見通しが甘いと言わざるを得ない。「ロマンティックが止まらない」ということは、恋愛以外の人間活動が全面停止することを意味する。電車も止まれば店も閉まる。警官も政治家も恋しかしないから犯罪が横行し完全な無政府状態になる。社会が立ちゆかなくなった先には、もはや人類滅亡への一本道しか見えない。

どうか「まぜるな危険」という言葉を肝に銘じてもらいたい。

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