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泣きながら一気に書きました

妄言コラムと気儘批評と悪戯短篇小説の巣窟

《虚空人名辞典》-二度見村チラ美

コラム 虚空人名辞典

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二度見村チラ美(にどみむら チラみ、1970年3月31日-)は、芸能リポーター、万引きGメン、視力回復療法士である。青森県むつ市出身。ルックルック視力回復センター所長。

・両目ともに3.5という驚異的な視力を誇ることから、愛称は「サンコン」「オコエ」「デリカット」。しかしケント・デリカットのような遠視ではなく、近くもよく見えるという万能な視力を持つ。かつて雑誌のインタビューでその類い稀なる視力の理由を問われた二度見村は、「人並みはずれた好奇心」と答えているが、実際のところは「学生時代のカンニングによって鍛え上げられたもの」だと後に告白している。

・遠くが見えるという特技を生かし、離れた場所から尾行できると考え、高校卒業後に上京し探偵事務所の門を叩く。しかし衝撃的なシーンを目撃するとついつい大きく首を振って二度見してしまう癖があだとなり、その不自然なリアクションが原因で、かなり離れていても尾行中にバレてしまうという致命的なミスを連発。二度見しても構わない職業を消去法で考えた結果、芸能リポーターを志す。

・ワイドショーを中心に芸能リポーターとして活躍するなか、万引き犯に直撃インタビューする機会に恵まれる。そこで万引き犯の中年女性の口から発せられた「はやく捕まえてほしかった」という心の叫びに胸を打たれたことがきっかけとなり、万引きGメンに転身。しかしいくら捕まえてもそのように殊勝な台詞を吐いてくれる万引き犯は現れず、開き直って逆ギレする犯人ばかりで嫌気が差し、一年半で万引きGメンを引退。

・すべてを失った状態から再就職を考える中で、「もっと直接的にこの驚異的な視力という才能を生かす道があるのでは」と思い立ち、メガネチェーン店の前を通りかかった際に「視力回復センター」をやるべきだとの啓示を受ける。二ヶ月後、「ルックルック視力回復センター」を西新宿で立ち上げる。

・独自の視力回復法として、あらゆる物体を高速で何度もチラ見する「スピードルッキング」という視力回復トレーニングを考案。「見流すだけで視力がみるみる甦る」というラジオCMのキャッチコピーが話題を呼び、メディアで得意の二度見を披露する機会が増加。その流れに乗り、「二度見専用メガネ」なるものを製作・販売したものの、驚くほど売れず巨額の借金と使えないメガネの在庫を大量に抱える。

・この二度見専用メガネの失敗により、ホームページに挙げられている視力回復体験談の数々がすべて嘘だとミソがつき、まもなくルックルック視力回復センターは閉店に追い込まれた。

・近年、日本野鳥の会に入会したとの噂がある。

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