泣きながら一気に書きました

妄言コラムと気儘批評と悪戯短篇小説の巣窟

ありもしない思い出ソング「無いのメモリー」

そうさいつだって君は
雨のなか傘も差さず歩いていたね
亀の背中に爪楊枝差して飼っていたね

道端に佇む地蔵の笠を 奪っては投げちぎっては投げ
鳩の糞まみれの銅像の首を 空手チョップで刎ねた夜
勝手知ったる賽銭箱の中 膝を抱えてただ泣いていたっけ

おうよどんなときも君は
晴れの日に盗んだセグウェイ乗り回していたね
髷の内にマジシャンの白鳩隠していたね

大股で歩む師匠のヅラを つまんで浮かせてちぎっては投げ
田んぼに潜む変質者の顎を アッパーカットで砕いた翌日
やがて沈みゆく豪華客船の上 調子に乗って両手広げたっけ

そうさこれはすべて ありもしない思い出
おうよそれは全部 なかったということで

見上げれば真昼の月 首に持病のヘルニア
ポテロングを一本多く食べたキミを ひどく傷つけてしまったね

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