泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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ある日のアルフィー

ファン「金髪…グラサン…パンタロン…そしてロンドンブーツ……あっ、やっぱりそうだ! す、すいません! ひょっとして、ザ・アルフィーのザ・高見沢さんですよね?」
高見沢「え? あ、そうだけど。『ザ』じゃなくて『ジ』ね」
ファン「あ、すいません僕としたことが! ジ・アルフィーのジ・高見沢さんですよね。失礼しました!」
高見沢「あと名前のほうは『ジ』つかないんだけど」
ファン「あー、またやっちゃいました! いつものケアレスミスです! 本当はちゃんと知ってるんですよ僕。だから僕の一番好きなアーティストは、ザ・アルフィーのジ・高見沢さんじゃなくて、ジ・アルフィーのザ・高見沢さんだよって、そんなこともわかんねぇのかこの泥人形がって、いつも友達に言ってるんですよ。あぁ、僕としたことが!」
高見沢「いや、どっちも違うんだけど。あと友達への当たりだいぶ強いな…」
ファン「そいつ超いいやつなんすよ。トカゲ飼ってるし」
高見沢「あ、そうなんだ…。いやだから『ザ』も『ジ』もいらないんだよ、名前のほうは。本当に一番なのかな…」
ファン「いやちょっと待ってくださいよー! 僕の中では本当にザ・高見沢さんが断トツ一位に決まってるじゃないですかー。マジ心外だなぁ」
高見沢「(小声で)意地でも定冠詞つけてくるな…。もしかしてこいつ、お前は定冠詞つけないと定まらない程度の不安定な存在なんだぞ、とでも言いたいのか…?」
ファン「ちなみに二位はやっぱりア・桜井さんで、三位は惜しくも坂崎ズさんです」
高見沢「(小声で)桜井は単数! 坂崎は複数!? そして桜井は、不特定多数いる桜井の中の一人?」
ファン「もちろん一番好きな曲は、『ジ・メリーアンズ』です!」
高見沢「メリーたくさんいる! そして字余り(ジ余り)! おあとがよろしいようで……ギュイーーーン!!」(すべての感情を、不思議な形状のギターに叩きつける高見沢。終わらないフィードバックノイズ……)

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