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泣きながら一気に書きました

妄言コラムと気儘批評と悪戯短篇小説の巣窟

信長の多忙

コラム

最近、どうも織田信長がひどく雑に扱われている。たぶん織田信成のせいだと思う。

ドラマ『女信長』や『信長のシェフ』をはじめ、ちょっと前だとガスのCM、さらには無茶ぶり極まるゲーム『ポケモン+ノブナガの野望』に至るまで、性転換もタイムスリップもファンタジーとの融合も、なんでもありな使い回されっぷりである。まるで自らに対し、かの有名な「楽市楽座」を適用したかのような解放感すら漂っている。

こうなればもはや、ホトトギスが鳴かないくらいで激怒するような信長の狭量さは、本能寺の炎とともに消えたと言ってもいいだろう。ならばいっそ、もっと無遠慮に突拍子もない設定のドラマを考えてみたらどうだろうか。とはいえ難しく考える必要はまったくなく、基本的にタイトルに信長を入れさえすればなんとかなりそうである。あとはもう、なんとかするしかない。たとえばこんな風に。

◆『スチュワーデス信長物語』
「ドジでのろまな亀」と呼ばれるほど「うつけ者」のスチュワーデス訓練生・信長が企てる「桶狭間ハイジャック作戦」に、名門今川家もアテンション・プリーズ!?

◆『3年B組信長先生』
ちょんまげをすっかりおろしたロングヘアーの信長は、坂本龍馬に憧れる熱血教師。顎のない教頭に終始嫌味を言われながらも、バリケードを作って立てこもる不良生徒を兵糧攻めにしたり、妊娠した生徒の秀吉を勇気づけたりと、八面六臂の大活躍! 実は信長先生のモデルとなったのが尾木ママであるのは有名な話。

◆『信長はニュースキャスター』
超プレイボーイな独身ニュースキャスター・信長のもとに、突如娘を名乗る信忠、信雄、信孝が大集合。悲喜こもごものドタバタ家族生活を繰り広げた末、炎に包まれたスタジオで「本能寺の変」のニュースを読み上げつつ自害するラストシーンは圧巻のひとこと!

◆『信長七人夏物語』
なんと信長は男女計七人いた! 信長が信長に恋をして、信長が信長にフラれ、信長と信長がヨリを戻す。主題歌の「CHA-CHA-CHA」に乗せて、恋の鉄砲三段撃ちが鳴り響く! 続編の『秋物語』終了後には、主役の信長とヒロインの信長が実生活で結婚というサプライズも!?

どうだろうか。いずれも単純に主人公を信長にすり替えただけの代物だが、やるならばこれくらいやってくれないと、そこに楽市楽座の如き進取の精神は認められないのではないか。もちろん例に挙げたいずれのドラマも、予告編しか観たくないのは言うまでもない。

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