泣きながら一気に書きました

妄言コラムと気儘批評と悪戯短篇小説の巣窟

笑福亭梵天丸

今日は部屋のなかで神隠しに遭っていた耳かきが出現するという記念すべき一日だった。しかし容赦なき雷雨は、そんな浮かれ気分を許さない。見つかったばかりの耳かきに落雷し、梵天大炎上。伊達政宗の幼名は梵天丸という。戦国武将といえば近ごろ久々に司馬遼太郎の『播磨灘物語』を読み返しているのだが、当初はそのタイトルから相撲歴史小説だと思い込んでいた。「相撲」部分は『ああ播磨灘』という相撲漫画があったという記憶からで、歴史部分はもちろん司馬遼太郎が書いているのだからそうに決まっているという判断。結果的に相撲にはまったく関係がなく、歴史には100%関係がある。司馬遼太郎の小説は、大学のころ読みまくっていたというかほとんどそれしか読んでいなかったほどに好きだったが、その後純文学を通過してから改めて読んでみると当初は気にならなかった「文章の密度の薄さ」がどうにも気になる。褒め言葉でいえば読みやすさであり軽さ。などと思いながら読んでいると小説内に出てくる姫路城の天守に落雷。文庫本が丸ごと炎上し、革製のブックカバーがほどよくミディアムレアに焼き上がったので、通りがかりの食いしん坊に馳走した。「もう食べられないよ」とどうしても言ってほしかったがやはりブックカバー1枚では全然言ってくれないので、昼寝させたら寝言で言ってくれて嬉しかったが鼻ちょうちんはさすがにやりすぎでがっかりした。その間も燃え続けていた耳かきの梵天はすっかり焼き上がるとアフロになり、食いしん坊の頭にひょいと乗っかって若き日の鶴瓶が誕生した。わざと弟子の笑瓶(本名:渡士洋)のほうを激しく褒めるなどして鶴瓶をやきもきさせる作戦に出たが鶴瓶はずっと笑ったままなので、腹が立って眼鏡を没収すると鶴瓶は笑顔のまま石像になった。

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