変態の理解者は変態だけなのか?
GUNS N' ROSESに在籍していたことで有名なバカテク覆面ギタリストのバケットヘッドが、あまりいなそうなお友達を集めて制作したプロジェクト作。
ガンズにおいても、そのバンド・サウンドへのあまりの馴染まなさが逆に頼もしかったバケツ頭だが、本作でも共演者を味方につけることなく、何かしら感情を注入せんとする彼らの邪念を、孤高の無感情なプレイでコンスタントに蹴散らしてみせる。アンビエントな女声も勇猛果敢なデス声も、彼のギターの前では等しく無化され、その虚無感がなぜか心地よい。
プロデューサーはSYSTEM OF A DOWNのサージ・タンキアン。変態度合では引けをとらぬ男だが、彼だけはバケツ頭の中にある何かを、理解し咀嚼している感触がある。サージの歌う楽曲にのみ血が通う瞬間が訪れ、バケツの中にはメカではなく血管が走っていると初めて感じる。
素敵な変態どもの高みには、いったい何が見えているというのか?