泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

     〈当ブログは一部アフィリエイト広告を利用しています〉

むしろ帽子から鳩を出す高校球児が見たい(ボーク)

帽子はお洒落! お洒落は帽子!

などとは限らないわけだが、高校野球を見ていると、高校球児の唯一のお洒落ポイントは帽子であることがわかる。僕も元球児(青空)なのでそれは痛いほどわかる。坊主頭でお洒落がきかないぶん、帽子の型に己のお洒落マインドをすべて注ぎ込むのだ。それはもう、悲しいほど一途に。

ちょっと注視してみてほしい。そのツバの不自然なひん曲がり具合(麻生総理の唇以上)と、前面部に施された火サス級の断崖絶壁(片平なぎさ以上)を。

ツバは90度近くまでシャープに湾曲し、校名イニシャルの浮く帽子前面は灼熱アイロンパワーでぴっちり直立、その代わりてっぺんはきれいにくぼませ帳尻を合わせている。そしてそのスタイルこそが、全国津々浦々各地から集まった高校球児全員に共通の、そして唯一のお洒落スタンダードなのである。

世間のファッションセンスとは、見事にかけ離れている。だが彼らのうち何人かは、将来的にセカンドバッグ&派手柄セーターを着用するプロ野球選手になると考えれば、すっかり合点がゆく。そう考えれば、ファッションセンスは野球上達の邪魔であるという説のほうが、むしろ有力なくらいかもしれない。いっそ高校入学と同時にセカンドバッグを買うのが、プロへの近道だと言い切りたい。

いざ高校球児よ、小脇に抱えるのだ!

Copyright © 2008 泣きながら一気に書きました All Rights Reserved.