泣きながら一気に書きました

不条理短篇小説と妄言コラムと気儘批評の巣窟

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『SHOGUN』/TRIVIUM 『将軍』/トリヴィアム

Trivium - Shogun (Special Edition)

彼らはメタルコアというジャンルから飛び出すのではなく、そのど真ん中に立つ責を負いつつ枠組みを拡げてゆくことを選んだようだ。

全体に長尺曲が多くなり、めまぐるしく展開する楽曲構成からは何もかもを取り込む貪欲な姿勢が見える。だがそこには、前作までに築き上げてきた変わらぬ核の部分が明確に存在し、だからこそパクりすれすれのデジャヴ感溢れるフレーズも自信を持って我が物にしてしまうことができている。

作品を重ねるごとに音楽性を拡散させてゆく場合、自ら築き上げてきた個性をあえて否定したり、軸をいくらかズラしたり複数化して幅を広げる方法もあるが、今回の彼らが見せる初志貫徹ぶりはまさに武士道ともいうべき潔さで信頼が置ける。作品中飛び抜けてキャッチーなRAGE風ナンバー③においても、その核心部は揺るぎなく今後への可能性を感じさせる。

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