泣きながら一気に書きました

妄言コラムと気儘批評と悪戯短篇小説の巣窟

我が憧れの「ナッツ・リターン」~『新語流行語大賞2016』発表を待たずに~

本日17時、今年の新語流行語大賞が決まるらしい。だがそんなことはどうでもいい。今年も勝手に恒例にしている「新語流行語大賞全部入り小説」を書きながら、「なんで『ナッツ・リターン』が入ってないんだ!」と憤っていたことを思い出したからだ。しかし調…

短篇小説「柿食えば鐘鳴る機」

「こないだ寺で柿食ってたらさ、ちょうど鐘が鳴ったんだよね」政尾加志貴(まさお・かしき)が自慢の横顔を見せつけながら得意気にそう言うと、友人らは「ま、そういうことってあるよね」と軽く受け流したので、加志貴は意地になって、「……てゆうことが今年…

【簡単求人】誰にでもできる簡単なお仕事です!

【レインボーブリッジを封鎖するだけの、誰にでもできる簡単なお仕事です!】【なんでもないようなことを幸せだったと思うだけの、誰にでもできる簡単なお仕事です!】【治りかけたかさぶたを剥がすだけの、誰にでもできる簡単なお仕事です!】【あの鐘を鳴…

【タイプ別】「メタルはメタリカしか聴かない」という人が次に聴くべき名盤5選

METALLICAというバンドは、間違いなくハード・ロック/ヘヴィ・メタルという音楽を世界中に行き渡らせることに貢献してきた。特に2000万枚以上を売り上げ、いまだビルボードにチャートインしている91年作『METALLICA』(通称「ブラックアルバム」)をきっか…

短篇小説「RP爺」

ヒント爺は、今日もRPGの世界を旅する勇者たちに情報を与えるためだけに生きている。この世界はすっかり荒廃してしまった。しかしそれがなぜなのかは、ヒント爺風情にはわからない。彼に与えられている情報は、あまりにも少ないからだ。いまヒント爺の住んで…

ハイブリッド車と今川家

先日道を歩行していたら、一分間に二度も後方から迫るハイブリッド車に膝の裏を轢かれそうになった。まさに静かなること山の如し。鋼鉄の膝カックン。静けさは時に狂気を感じさせることがあるが、あの静けさは凶器である。おかげで桶狭間において織田軍の伏…

短篇小説「炎上ビジネス feat. マッチ売りの少女」

ある冬の夜、少女が路上でマッチを売っていた。少女がマッチを売っていたのは、マッチを買うおじさんがいるからであった。好きで売っているわけではない。マッチを買うおじさんもまた、マッチが好きなわけでも必要なわけでもなかった、マッチを買うおばさん…

メタリカ新作ディスクレビュー『HARDWIRED…TO SELF-DESTRUCT』/METALLICA

◆METALLICAというバンドの本質的魅力を炙り出すための試金石的作品――あくまでも試金石――METALLICA8年ぶりの新作は、まるで「これまでお前はMETALLICAのどこに魅力を感じてきたのか?」と厳しく問いかけるような、ある種の試金石のようなアルバムである。しか…

「新語流行語全部入り小説2016」

歩きスマホでポケモンGOをしながら都内のあちこちへ片手間に火を噴きまくるジカ熱のシン・ゴジラを、もはや民泊中のアモーレたちが築いた愛の盛り土だけで防ぐことは不可能だった。しかも、その盛り土すら実際には行われていなかったという事実が発覚したと…

短篇小説「頭痛が痛い田村」

頭痛が痛い田村は腹痛も痛くなってきたような気がしているが腹痛は痛くない。膝痛が痛いのはいつの間にか治って完治していたし、歯痛が痛いのも半年前に治療して治したばかりだからこの問題は問題ない。虫歯が蝕まれていたのだ。ただし寒さが寒い季節には、…

ディスクレビュー『THIS HOUSE IS NOT FOR SALE』/BON JOVI

◆リッチーの不在が呼び込んだ、思いがけぬ歌メロの充実バンドといえば、「複数の個性が混ざり合うことによって生み出される何か」を誰もが期待する。それはBON JOVIのように、個人名を掲げたバンドでも変わりはない。BON JOVIはやはり、ジョン・ボン・ジョヴ…

短篇小説「スプーン女子」

「スプーンおばさん」こと丸坂匙代は、一切の優柔不断を許さない性格に生まれた。おそらくそれは、スプーンという「片面(=凹面)しか使用しない道具」を携えてこの世に生を受けてしまったからだろう。右手に持って生まれたものがスプーンではなく箸であっ…

トランプがいま聴くべき13曲と、その曲名をつぎはぎして無理やり紡いだ手紙のようなもの

拝啓 暴言王様におかれましては、時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。このたびヒラリー・クリントンとの「War Of Words」に勝利し、「When I’m President」になったものの、直後からデモが起こるなどして、早くも「The Enemy Inside」な貴方。そ…

トランプが家康でヒラリーが淀君で夫のビルは草履取り? 米大統領選を戦国時代にたとえて説得力を喪失する話

このたびのアメリカ大統領選において、ドナルド・トランプがショッキングな勝利を収めた。大統領選といえばもちろん政治の話だ。僕も政治学科出身者のはしくれとして何かを言ってみようと思ったが、大学で何かを学んだ覚えがないということをすぐに思い出し…

短篇小説「犯罪動機One & Only~それでもボクはやってます~」

刑事「お前がやったんだな。で、動機は?」 犯人「はい、ついカッとなって」 刑事「ありがちだな。工夫がない」 犯人「えっ、没とかあるんすか? 動機なのに?」 刑事「当たり前だ。没のない社会があるか。誰だって上司や取引先に没を出されて、それでもやり…

アーセン・ヴェンゲルの、思考回路を言語化する能力

我々は、けっして思ったことを完璧に言語化して伝えられるわけではない。そこには必ずいくらかの劣化が伴い、その「言いきれなかった部分」が誤解の種になることも少なくない。だが欧米のトップアスリートや指導者たちの言葉に接していると、「この人、もの…

短篇小説「おとぼけフランス人シラーヌ・ゾンゼーヌ」

「ハテ、ナンノコトデスカナ?」ホームセンターから一歩出たところを取り押さえられたフランス人シラーヌ・ゾンゼーヌは、ロングコートのポケットをパンパンに膨らませながら、腕を掴んできた万引きGメンの女・東海林メアリーにそう言い放ったのだった。ちな…

少年は窓から逃げる~ブログタイトル画像改変顛末記~

なんとなく思い立って、ブログのタイトルバックに画像を入れてみることにした。といっても、特に明確なコンセプトもなければ、この嘘八百のブログタイトルにフィットした画像などまったく欲しくもない。そうなると、選ぶ基準というものが本当になんにもなく…

ピコ太郎の仮装をする者の家には、エレキテルな衣装が眠っている

今年のハロウィンでピコ太郎の仮装をしている人の家のクローゼットには、高確率で日本エレキテル連合の衣装が眠っている。なんとなくファッションの方向性が似ているような気がしないでもないので、使い回せないかと一度は頭を悩ませてみるものの、やはり柄…

あたしゃ以外あたしゃじゃないの?~万物光代化計画~

この世の何もかもを「光代化」してしまうという、魔法の一人称を入手した。 以下の例文は、「光代」と「世界」との戦いの記録である。 部屋とYシャツとあたしゃ(光代)あたしゃがオバさんになっても(光代)あたしゃ以外あたしゃじゃないの(光代の極み乙女…

短篇小説「歩くATM~手間亮という男~」

手間亮という男はすこぶるいい奴だが、一緒にいるといつの間にかお金が減っているので注意が必要だ。彼は仲間内で「歩くATM」もしくは「生けるプレイガイド」と呼ばれている。ある日僕は手間亮と映画に行く約束をした。うちから徒歩5分のマンションにある彼…

短篇小説「うろおぼ刑事」

今まさに、うろおぼ刑事が万事うろおぼえなまま現場へ突入しようとしている。懇意にしている情報屋から、「海沿いの第三倉庫でこのあと麻薬取引が行われる」という情報を聞きつけたような気がしないでもないからである。第二倉庫だったかもしれないし、街道…

短篇小説「言うだけ刑事」

「おい、待て! さもないと撃つぞ!」言うだけ刑事が、今日も威勢よく声を張り上げる。しかしそこはもちろん言うだけ刑事。ただ単にそう言っているというだけの話で、拳銃を抜く素振りもなければ、追いかけることすらしない。公園のベンチで悠然とカップラー…

【ドラフト偽報】日本ハム、ボブ・ディランとの交渉権を獲得

昨日行われたプロ野球ドラフト会議にて、5球団競合の末、ソフトバンクが田中正義(22)との交渉権を獲得した。それにより田中を獲り逃した日本ハムは、外れ1位でノーベル賞投手のボブ・ディラン(75)を単独指名、交渉権を手に入れた。ボブ・ディランはミュ…

「合点承知之助」を無闇にアップデートした結果

メールの返事などでよく使用する「了解しました」というフレーズ。しかし最近では、「『了解』という言葉は、目上の人に対しては失礼にあたる」という説もあって、代わりに「承知しました」という表現を使うことも少なくないが、これがどうもしっくり来ない…

短篇小説「何も言えなかった…夏」

今年も冬彦の夏は、何も言えないうちに終わってしまったのだった。大学のサークル仲間と繰り広げたBBQ…口に放り込んだ安い肉をいっこうに噛み切れぬまま、何も言えず終わった。高校時代の友人としこたま買い込んで楽しんだ花火…口にくわえたロケット花火が不…

悪戯短篇小説「タテ割り刑事」

張り込み刑事が今日も現場に張り込んでいる。張り込み刑事は文字どおりの張り込み刑事であるから、張り込む以外の仕事は何もしないし教わってもいない。手錠の掛けかたすら知らないし、そもそもそんなもの所持してもいない。銃なんてもってのほかだ。それぞ…

脳内安西先生問答

バスケを辞めて不良になった生徒が、「もう一度バスケがしたい」と虫のいいことを言ってもやさしく迎え入れてくれる安西先生…。途中で投げ出しそうになったとき、「あきらめたらそこで試合終了」だと言ってアバウトに励ましてくれる安西先生…。そんな安西先…

日常の憂鬱を絶望へと進化させたうえで吹き飛ばすためのメタル名曲5選

例年になく雨が多かったり、涼しくなったと思ったらまた暑くなったり、そのせいで風邪をひいていまいち治りきらなかったり。世間様ほど夏にやんちゃをしたわけでもないのに、海にも山にもフェスにも行っていなければバーベキューもすいか割りもしていないの…

豊洲新市場の地下空間にありそうなもの

いま世間では、豊洲新市場の地下に設けられた謎の空間が問題になっている。そこに徳川埋蔵金でも埋まっているなら夢があるが、そこまでいかなくとも、興味深いものが埋まっている可能性がないとは言えない。なにしろ可能性だけなら、何にでもいくらでもある…

「2016秋ドラマ」傾向と対策~ドキッ! 刑事と刑事っぽい人だらけの秋ドラマ大会~

◆1クラスに14人の警察関係者がいる状態!?それにしても現代日本には、いったいどれだけの数の刑事がいるというのか。より正確にいえば、「刑事とその周辺の職種の人々」が。いやいるんだろうけど、こんなには。2016年秋ドラマのラインナップが出揃った。下記…

弱くはかないもの…それはスリッパ

スリッパがすぐ駄目になるので丈夫なスリッパが欲しいが、そうなるとそれはサンダルになり靴になりはしないか。スリッパは弱いからスリッパなのであって、強くなったらもうそれはスリッパではない。スリッパは人をリラックスさせなければならない。なぜなら…

真田昌幸の遺言~『真田丸』『城塞』『真田太平記』それぞれが遺した珠玉の言葉たち~

◆昌幸にとって唯一無二の「御館様」武田信玄の影響を感じさせる『真田丸』の遺言先日放送された大河ドラマ『真田丸』第38回で、草刈正雄演じる真田昌幸がいよいよその最期を迎えた。あるいは主人公の信繁以上に愛されていたかもしれない父・昌幸の死は、間違…

ルパンに奪われしものたち シーズン2

銭形「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの『季節感』です」(TUBEに)銭形「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの『警戒心』です」(クワマンに)銭形「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの『…

安西先生が言わなかった台詞

「濡れた子犬抱き上げたら、そこで不良卒業ですよ」「自販機の下の小銭集めたら、それがキミの生涯年収ですよ」「あなたのうしろで何か異変が起こったら、そこで観客が叫びますよ」(志村けんに)「押すな押すなと言ったら、そこで入浴の時間ですよ」(上島…

悪戯短篇小説「注文の多い料理店にいる記憶力の悪いウェイトレス」

休日の朝、のっそりと起き出して「中身の乏しい冷蔵庫」を確認した「思い込みの激しい悦郎」は、とりあえず遅めの朝食をとるため、駅の向こうにある「注文の多い料理店」の「シェフの気まぐれが激しいランチ」をいただきに向かうことにした。しかしいざ「遮…

雨の日に傘も差さず歩きながら聴きたい憂愁の雨歌洋楽MV5選

哀しいときに明るい曲を聴くと元気が出る人と、あえて哀しい曲に寄り添ってもらうことでむしろ悲しみが癒されるという人がいる。では雨の日には、明るい曲と哀しい曲、どちらを聴きたくなるだろうか。これも基本的に、落ち込んだときに「自分を奮い起こす」…

『君の名は』の主題歌「前前前世」に三段逆スライド方式でこたえたい

いま話題の映画『君の名は』の主題歌「前前前世」/RADWIMPSみたいな三連曲名を無闇やたらと考えることにより、電光石火の三重殺(トリプルプレー)を狙いたい。ちなみにこれは、『ボキャブラ天国』におけるネプチューンのキャッチフレーズである。いっぽう…

大河ドラマ『真田丸』をより深く、多角的に味わうためのルーツ的名ドラマ2作

◆歴史大作がそれぞれの角度から描き出す、三者三様、真田三代の物語人や作品には必ずルーツがあり、ルーツを知ることでその人や作品をより深く、多角的に味わうことができる。――そんなことは言われなくてもわかってる、とは誰もが思いながらも、なかなか実際…

話なんて、まとまらないほうがいい

世の中には「話をまとめたがる人」と、「話を広げたがる人」がいる。一般には、「聴いた話を簡潔にまとめる能力」を「頭の良さ」だと捉えている人が多いのではないか。たとえば、スタンダードな大学受験などで求められる能力というのがまさにこれで、800字の…

「部屋とYシャツと私」を超える最強のトライアングルを考えてみる

タイトルが秀逸な曲といば、真っ先に挙がるのが平松愛理の名曲「部屋とYシャツと私」。このタイトルが何を意味するのか、そんな中身の話は置いといて。「なんとなく世界観が感じられて、響きが良い」。曲名というのはもしかすると、それだけで充分なんじゃな…

人の心がわかりすぎるということ~『播磨灘物語』/司馬遼太郎

昨年の大河ドラマ『軍師官兵衛』を観るにあたり、僕は黒田官兵衛の生涯を描いた司馬遼太郎の『播磨灘物語』を読み返していた。学生時代に読んだときよりも、遥かに言葉が染み渡ってくる。名作の持つ意味は、読む側の経験や成長によって如実に変化する。だか…

二者択一神

極度に汚染された川底から 落としものにうるさい ニシャタクイーツが あらわれた! ニシャタクイーツは いきなり おそいかかってきた!「あなたが落としたのは この『味の宝石箱』ですか? 『幕末塾』ですか?」(勇者・彦摩呂に)「あなたが落としたのは こ…

広島カープ球団歌のマジカルな語順に潜む「小悪魔的」魅力

youtu.be広島東洋カープ25年ぶりの優勝により、球団歌『それ行けカープ』があちこちでかかっている。これが結構いい歌で脳内を巡り続ける、というのは球団歌にはよくあることで、阪神タイガースの『六甲おろし』も、「ウォウウォウウォウラ~イオンズ」とし…

偽書偉人伝3

当局より、またしても数々の偉人らの手による書が、いま話題の豊洲新市場の土壌から大量に発見されたとの報告があった(3秒後に嘘だと判明)ため、ここにその一部をご紹介したい。言うまでもなく、すべてれっきとした偽物である。 正岡子規の書 ニコラス・ケ…

《虚空人名辞典》-可茂無不可士

可茂無不可士(かもなし ふかし、1974年7月4日-)は、陶芸家、布団柄デザイナー、経営者である。岐阜県多治見市出身。株式会社無難好品代表取締役社長。・もともとは甲子園を目指す高校球児であり、その長打力には当時プロも注目、将来を嘱望されていた。・…

ルパンに奪われしものたち

銭形「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの靴下です」(石田純一姫に)銭形「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたのカブトムシです」(哀川翔姫に)銭形「いや、奴はとんでもないものを盗んでいきました。あなたの盗…

悪戯短篇小説「賃走少年」

拓朗は少年で、少年は拓朗だった。テレビのニュースを観て犯罪に憧れた拓朗少年は、家の前でアイドリング中の見知らぬ車の助手席に乗り込むと、運転手にナイフを突きつけて言った。「おい、東京駅まで行け! 言う通りにしろ!」不意の乗客に運転手は、思いの…

客中求人3

「お客様の中に、痛みに耐えてよく頑張ったかたはいらっしゃいませんか?」「お客様の中に、恋人がサンタクロースのかたはいらっしゃいませんか?」「お客様の中に、死亡推定時刻を過ぎているかたはいらっしゃいませんか?」「お客様の中に、ロマンスの神様…

「ヤメて!」万能説 feat. 横山弁護士

◆『風雲!たけし城』のジブラルタル海峡で城みちるのバレーボール砲をしこたま喰らい、「ヤメて!」と横山弁護士。◆『世界まるごとHOWマッチ』で大橋巨泉から初対面なのに呼び捨てにされ、「ヤメて!」と横山弁護士。◆『なるほど!ザ・ワールド』で、愛川欽…

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