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泣きながら一気に書きました

妄言コラムと気儘批評と悪戯短篇小説の巣窟

短篇小説「河童の一日 其ノ十二」

河童にだってお洒落は必要だ。でもお洒落にはリスクがつきもので。学校から帰ると、茨城から流れて来た爺ちゃんが居間で甲羅を磨いていた。人間だと乾布摩擦というのかもしれないが、フォームは同じでもやっていることの意味は全然違う。ボーリングとスカー…

短篇小説「河童の一日 其ノ十一」

今年の河童新語流行語大賞が「河童、皿割れるってよ」に決定した。今さら感が凄いけど、間違ってはいない。それに便乗して「ワレモノ注意!」のステッカーを河原で売り出す輩がさっそく登場したが、そんなもの恥ずかしくて頭に貼れるはずがない。通気性の問…

短篇小説「河童の一日 其ノ十」

河童は冬が苦手だ。というと「いつも裸で寒いから」と思われがちだが、そこは慣れでなんとかなる。近年ではヒートテックの甲羅も、すっかり普及してきたし。だから本当の問題は乾燥のほうだ。河童は乾くと急激に弱体化する生物である。特に頭部に載っかった…

短篇小説「河童の一日 其ノ九」

まもなく夏休みが終わる。僕は河童だけど人間の学校に通っているので、夏休みもあれば宿題もある。こんなに宿題があるなら夏休みなんていらない。というのはもちろん嘘で、むしろ人一倍(じゃなくて河童一倍?)この夏休みを「夏休んだ」覚えはある。オリン…

短篇小説「河童の一日 其ノ八」

夏が来た。河童だって流れるプールが好きだ。今日は茨城から泳いできた爺ちゃんと、遊園地のプールへ行った。遊園地へ行くと必ず子供たちが寄ってくるけど、握手をしてあげると皆あっさり引き下がってくれるので問題はない。手が思いのほかビチョビチョだか…

短篇小説「河童の一日 其ノ七」

近ごろ甲羅のフィット感が悪いので、調整してもらうため久々にスポーツ用品店へ行った。そもそも僕は、甲羅のフィット感なんて気にするタイプの河童ではなかった。しかし以前、グローブ用オイルを買いにスポーツ用品店を訪れた際、「おい坊主、プロテクター…

短篇小説「河童の一日 其ノ六〜河童 vs 家電量販店〜」

河童だって音楽が好きだ。文字どおり、音を楽しんでいる。といっても、川のせせらぎとか鈴虫の鳴き声とかじゃなくて、普通に人間の好む音楽を河童も聴く。エミネムとか。NO MUSIC,NO KAPPA LIFE.ただしイヤホンがすぐ駄目になるので困る。河童は年がら年中濡…

短篇小説「河童の一日 其ノ五」

今日は八百屋のおっさんにきゅうりで殴られた。売りもので殴るなんてどうかしてる。ちなみに二刀流だった。しかもきゅうりが僕の大好物だってことを、八百屋のおっさんはもちろん知っている。となると、「わざわざ相手の好物を用いて殴る」という行為は、果…

短篇小説「河童の一日 其ノ四」

「河童も恋をするの?」という質問を近ごろよく受ける。芸能人が立て続けに結婚を発表しているせいだろうか。YES,もちろん河童だって恋をする。カラオケに行けば、渡辺美里の「恋したっていいじゃない」も歌う。「MAJIでKOIする5秒前」は歌ったことがない。…

短篇小説「河童の一日 其ノ三」

僕ら河童は漢字で書くと「河」の「童」ということにいつの間にかなっているが、これも河童がこうむっている風評被害のひとつである。河童だからといって、もちろん「童=子供」ばかりなんてはずはなく、河童にもジジイやババアはいる。最近はむしろそっちの…

短篇小説「河童の一日 其ノ二」

今日は人間の友達の家へ遊びに行った。彼の家へ行くのは初めてだった。家にあがるやいなや、人間の女にすこぶる嫌な顔をされた。友達の母親らしかった。一瞬にして花柄のスリッパをビショビショにしてしまったからだと思う。河童なのだから当然だ。河童を家…

短篇小説「河童の一日 其ノ一」

朝起きたらヘッドソーサーにうっすらカビが生えていて抜群に哀しかった。テレビのニュースであまりに熱中症熱中症言うものだから、警戒しすぎて寝る前に皿を経口補水液で濡らしすぎたせいだ。CMで所さんにまで言われたら濡らすしかない。あの人熱中症でいく…

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