泣きながら一気に書きました

妄言コラムと気儘批評と悪戯短篇小説の巣窟

書評(サブカル/漫画)

『みんな!エスパーだよ!』第4巻/若杉公徳

超能力を身につけてしまった登場人物たちが、とにかくその能力を無駄遣い(特にエロ方面)しまくるという漫画。基本的には、同じく学園コメディの名作『ゴリラーマン』的な空気を感じさせるという意味で、『ヤンマガ』の中心線にある伝統を継ぐ作品と言って…

笑いの中に現実を、厭世観の奥に希望を〜『間抜けの構造』/ビートたけし

「間抜けの構造」というよりは、むしろ「“間”(ま)の重要性」について語った本である。身のまわりの間抜けな人々をコミカルに紹介する第一章は、読み手のハードルを下げるためのつかみとしては機能しているが、まったく本題ではない。自らが心血を注いでき…

『バクマン。』10/大場つぐみ・小畑健

アニメ化のタイミングに合わせて、一気に面白くなってきた。いや、一気に面白くしてきた、というほうが正しいかもしれない。その力の入れようは、主人公たちが描く作品、つまり漫画内漫画の充実度が物語る。これまでは単に方向性を示すためのみに提示されて…

「笑い」に忠誠を誓う男

『TVBros.』最新号に、天久聖一の手による電気グルーヴのインタビュー企画が掲載されている。「手による」というのは、読んでいてまさに「手による」という感じがするからで、もちろん単なるインタビューではない。この組み合わせはもうすっかり恒例になって…

『バクマン。』4/大場つぐみ・小畑健

つくづく男同士の友情ってのは面倒くさいもんだなと思う。だがその面倒くさい部分を取り逃さずに描き切るのが、少年漫画最大の魅力でもある。たとえば『スラムダンク』における三井のバスケに対する複雑な思いとか、『ドラゴンボール』でのベジータの立ち位…

『バクマン。』3/大場つぐみ・小畑健

ここに来て急速に面白くなってきた。前巻までのレビューで指摘した問題点は、何ひとつ解決されないままに。このぶっちぎり具合はむしろ頼もしい。問題点をちまちまと一つ一つ修復してゆくような対処療法は、完成度を上げることにはなっても、実のところ面白…

『バクマン。』2/大場つぐみ・小畑健

壮絶なスピード感である。とにかく展開が速い速い。まるで何者かに追われているよう。だがその裏では、ないがしろになっている要素が山積しているのも事実である。キャラを深めるには、丁寧な感情描写と主人公の内面を浮かび上がらせる日常的エピソードが不…

『バクマン。』1/大場つぐみ・小畑健

言わずと知れた『DEATH NOTE』コンビによる二作目。漫画家を目指す主人公たちを描く現代版『まんが道』だが、もちろんその趣は大きく異なる。ストーリーを走らせるには「キャラクター」と「動機」を二本柱として機能させる必要があるが、この作品の場合、明…

えのき・どいちろう? えの・きどいちろう?

えのきどいちろうはどれくらい有名なのだろう? だいぶ前に買っておいたままになっていた、えのきどいちろうの『妙な塩梅』というエッセイ集を引っ張りだして読んでみたら、これがものすごく面白くて感動している。なぜ今までちゃんと読まなかったのか? 大…

『新しいバカドリル』/タナカカツキ・天久聖一

笑いというのは基本的に世の中の欺瞞を暴き現実をあぶり出す機能を持つ。 たとえばビートたけしは「赤信号、みんなで渡れば怖くない」と叫ぶことで、見事に民衆の集団心理を言い当ててみせた。それはたとえば昨今の「空気を読む」文化にまで当てはまる、日本…

『去年ルノアールで 完全版』/せきしろ

せきしろ氏は偉大なる傍観者である。 誰もが社会に参加したがり、発言権を主張してあえぐ今の世。ある者は路上でギター片手にありきたりな愛の言葉を叫び、ある者は凄まじい「上から目線」で悩める若者に空虚な人生訓を提供する。 だがみんな忘れていないだ…

『犬のジュース屋さんZ』1巻/おおひなたごう

ネタ選びのセンスと、それを料理する腕前が高次元で両立。結果、キャッチーさも深遠さもいとしさも切なさも心強さも、さらには部屋とYシャツと私あたりまで、すべてがここに融合し、作者独特の世界を作り上げている。もしかするとこれだけの要素をいっぺんに…

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